先にこちらからお読みください☆彡
大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
《side N》
櫻井さんが言うには、
今まで雇った家政婦(夫)が金目当てだったり、主人を好きになって色仕掛けをしてきたりする人ばかりだったため、それを見極めるための演技だったという。
よくよく話を聴くと、道に迷ったお婆さんも櫻井さんが用意したサクラだった。
「本当にすみません」
人を試すような真似をするなんて、それこそ馬鹿にするなと言いたいけど。
主人のためを思ってこんな事をしている櫻井さんの、罵倒されるのも覚悟の様が潔く感じて。
何より、櫻井さんがこんな事をしなければならない程、今まで散々酷い目にあってきたんだろう主人とやらが気の毒になってしまって。
フルコースは作れないけど、今までの嫌な思いを消し去って余生を穏やかに過ごせるようにしてあげたいなぁと思ったりしたんだよね。
「あの、もう頭を上げてください。
私も知らぬとはいえ、声を荒げてすみません」
「じゃあ、引き受けてくださいますか?」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
契約を交わしてカフェを出て、駅のコインロッカーに預けていた荷物を引き取ってから勤務先となる主人の家に向かう。
「えっ……、ここ?」
古めかしい日本家屋を想像していた俺は、口をあんぐり開けてタワマンを見上げた。
てっぺんどこにあんの?っていうぐらい高くて。
「最上階だから」
「エレベーター動かなくなったらヤバイじゃん……っと、動かなくなったら困りますね」
言い直した俺に、櫻井さんはぷっと笑った。
「あははっ、二宮くんの話しやすいように話してよ。
主人にも気を使う必要ないからね。
むしろバシバシ言ってやってよ。
あの人それぐらいじゃないと改まんないし」
櫻井さんも、多分俺に気を使わせないように、親しみやすい話し方に変えてくれた。
「しかし、二宮くん、俺と同じくらいの歳なのに、フルコース作れるなんて凄いよね。
俺、料理は全くできなくてさ」
ドキッ!
「まぁ、俺、何でも出来ちゃうんですよね」
ハハッと誤魔化すように笑ってそう言った。
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次は、またまたうち
また今日と同じ明日が来る〜新しい年の始まり〜の最終話は明日18時17分です