松本潤様
お誕生日おめでとうございます
こんなに素敵に年齢を重ねていく嵐の皆様がいつまでも大好きです
お仕事忙しそうですが、健康には気をつけて(潤くんはきちんと気をつけてそう)益々のご活躍をお祈りいたします
こちらのお話、いつもの明るいテイストではありません
↓を読み、ご自身の判断でお読みください
大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side O
天を振り仰ぐ。
星なんて見えやしない。
コンクリートに囲まれた此処で、俺は今、抜け殻なんだと思う。
心が全く動かない。
楽しかったあの時。
――戻りたい
道端に座り込んでいても、誰も振り返ってみてもくれない。
酔っ払いが座り込む。
良くある景色なのだろう。
「帰ろう……」
ぼんやりと呟いて立ち上がる。
にゃーん……
擦り寄ってくる黒猫。
俺を気にかけるなんて、お前だけだな。
そっと撫でて、歩きだした。
東京に出てきて、何ヶ月経つだろう。
泣くあいつから、逃げるように家を飛び出して、俺は此処でどうやって生きるべきか、生きる意味を見いだせない。
「智っ、どうして!?ずっと一緒にいてくれるって言ったのに」
「気が変わったんだよ、お前と居てもお互い未来なんてないだろ」
やっぱり女が良いと、一番言ってはいけない言葉をわざと使ってあいつを傷つけた。
あいつには背負う物があるから、俺とは一緒にはいられない。
幼馴染のあいつの家は、古くから続く名家で、会社を経営していて、あいつはその跡取り息子。
小さい頃から、家の為にあいつは勉強して、家の為に自分の趣味嗜好を殺して生きていた。
跡取り息子を完璧に演じていた。
でも、俺の前では可愛い恋人だった。
誰にも内緒で愛し合い、たくさん笑い合って、幸せで。
あいつは、全てを捨てても良いから俺と一緒に居たいと言いはじめるようになった。
2人で暮らせるなら、貧しくても良い。
他に何も要らないんだと……。
俺も、それでも構わないと思っていた。
2人で此処から出て行こうって。
けれど、俺達の仲を、あいつの父親は気づいていて。
「自分は病気で、もう先がない。
和也を連れていかないでくれ」
「和也の事を本当に愛してるなら、あの子の将来を潰さないでくれ」
泣いて頼まれた。
死にゆく人の頼みを無下には出来ない。
あいつ……和也には縁談の話もあり、将来の事を考えると、俺はあいつを手離す事が一番だと、その時は思えたんだ。
ずっと和也の泣き顔が離れない。
何をしていても、どんな時も、思い出すと心が悲鳴をあげる。
俺だって離したくは無かった。
ずっと手を繋いでいたかった。
いつも天を見ては語りかける。
「和也、お前は今幸せか……?」
「幸せなわけないじゃん、あんたに捨てられてさ」
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