大宮妄想小説です

BL要素含みます

パラレルです






side N








「智さん、今日……あ、えーと」






「今日?」





いざ言おうとすると、急に恥ずかしくなってしまって、智さんを直視できなくて俯く。

でも、あんな思いするのはもう嫌だし、ハジメテは智さんが良い。





「和……、何か耳赤いけど」





そう言って智さんが俺の耳に触れる。

思い切り肩を揺らして動揺してしまった。





「和、どうした?何考えてる?」





心配そうな声の響きにそっと目だけ上げると、智さんの真摯な瞳とぶつかった。


絡み合う視線。


智さんの瞳が熱を帯びたと思ったら耳に触れていた手の親指が俺の目尻をなぞった。





「和……、誘ってんの?」





自分で訊ねておきながら、まさかねって響きも含んでいて。


だから俺が頷いたら信じられないって驚いた顔をした。



だから俺は、ウィッグを自分で外した。

村瀬みたいな反応だったらどうしようって思うと怖かったけど。





「そうだった……、髪の毛……」





村瀬とのビデオ通話で少し映ったみたいだったけど、すぐにウィッグを戻されたし、智さんも潜入で慌ただしかったみたいで、あまり見てはいなかったようだ。





「村瀬が周りをうろつき始めた時に、切ったんです」





あまりに真っ直ぐ見つめてくる瞳に俯きそうになると、もっと良く見せてって両手で顔を固定された。

頬、髪の毛と智さんの長い指が優しく撫でていく。





「ふふっ、可愛い」






そう言って智さんは破顔した。

そして目元にキスをくれた。

その智さんの笑顔に後押しされるように、言いたかった事を言う。





「あの、初めて会った時の俺よりもちょっと髪の毛短いんですけど……、抱いてくれませんか?」





「良いのか?後悔しねぇ?もう途中でダメって言われても止めらんねぇよ」






既に焼かれそうな程熱い瞳をしているのに、意思確認をしてくれる。


後悔なんてするはずない。


まだ抱かれてなくて後悔したぐらいなんだから。





「後悔なんてしない、良いから……抱いて」





言った途端に強い力で抱きすくめられた。









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