大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side O
「あんた、眠れなくなるぐらい悩んで苦しんで何かに打ちこんだ事ある?
大野さんと同じだけの努力をして、報われなかったのか?
それで妬んでるなら、こんな事するのが正解とは絶対思わないけどさ、まだ気持ちは分かる気もしないでもない。
たださ、あんた、こんな事するエネルギーを自分を高めるために使ったら良かったんじゃないの?」
「五月蝿い!お前に何が分かるんだよっ、才能がある奴には何したって敵うわけないんだよ、だったら潰すしかねぇじゃん」
「はぁ、そんなの何にも分かんないわ。
才能なんて生かすも殺すも自分次第なんだよ!
あんただってその執念深い才能を他の何かに生かしたら良かったんじゃないの?」
村瀬は聞く耳なんて持っていないようで、まだ喚いている。
和は諦めたように溜息をついた。
そこに、警察が走り込んできた。
「大野さん、帰りましょう」
警察に押さえ込まれた村瀬を見て和が俺の腕を引いた。
「なぁ、村瀬、入社して間もない頃、俺の絵を見てすげー感動してくれたよな?
あれも嘘だったんか?」
全く抵抗しないで大人しく警察に押さえ込まれている村瀬に訊ねた。
「……」
「入社したてでお互いを全く知らない間柄でも、自分の絵で感動してくれるんだって、すげーやる気出たんだけどな……」
村瀬にも打ち込める何かが見つかれば良いと思った。
けれど、俺に言われるなんて大きなお世話だろうと思ってやめておいた。
大体俺だって人に意見できる程の人間ではない。
村瀬は警察に任せて、和と相葉ちゃんと一緒に部屋を出る。
階段を降りようとした時に部屋の中が騒ついた。
「おいっ、待てっ」
警察の静止を振り切って村瀬が俺たちに向かって走り込んでくるところだった。
最後尾にいた相葉ちゃんには目もくれず、真っ直ぐ俺に向かってきた。
「大野ーっ」
俺と村瀬の間には和がいた。
「和っ!危ねぇっ」
咄嗟に和と呼んでしまった。
そして後ろに隠そうと和に向かって手を伸ばすと村瀬がニヤッと笑った。
「へーっ、大野の恋人はこっちか」
そう言って、方向を変え俺ではなく和へと体当たりした。
読んだ後に良いねいただけたら大変励みになります
昨日148をチェックしていたら、最後の和くんのセリフの
「えっ……ぁっ、ん」