大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです





side N






大野さんの胸の中で目覚める。
あんなに欲まみれになっていた身体は綺麗になっていて、寝具も取り替えられていた。




「カズ、おはよ」




俺が起きた事に気づいた大野さんは、満面の笑みでチュッと唇に触れるだけのキスをしてきた。
昨日の朝までとは違う、その喜び溢れる顔に、俺まで嬉しくなる。




「おはようございます」




何度も何度もチュッと顔に触れる唇。
あんな激しい夜を過ごしたんだけど、何だか触れるだけのキスがとても照れくさい。




「んふふっ、カズ、真っ赤で可愛いな」




そう言ってぎゅうぎゅう力強く抱き締めてくる。
裸で密着してくるから、大野さんの引き締まった腕とか、綺麗に筋肉がついた胸板とか、物凄く肌で感じちゃってドキドキが止まらない。



「カズ、すげードキドキしてる」



俺の胸に触れてそんな事言わないでほしい。
もう心臓が飛び出してきそうなんだからさ。




「もう見るなっ、触るなっ」




胸元に顔を隠す。
すると頭を優しく撫でて、髪に口付けてる。



「もうっ、いちいち甘いんだよっ」




「だってよ、すげー嬉しいんだ。こんな日をカズと迎えられるなんて思ってなかったから」




いつまでも靡かない俺に大野さんも不安を感じていたみたい。

昨日の大野さんの様子を思い出す。
花弁の中で消えてなくなりそうだった。



――こうでもしないと、カズはいつまでも俺が宇宙人だって信じねぇし、俺と一緒に帰る事を考えてくれねぇだろ?


そうなんだよね、宇宙人なんて到底信じられる話じゃなかったから、俺ちょっと揶揄われてるんだって思ってた部分があって。

だから大野さんがいくら俺を好きって言ってくれてても、本気にしたらダメだって自分に言い聞かせて、好きになったらダメだって、ブレーキかけてたんだけど。

全部本当だった。
俺ももうブレーキは必要ないんだよね。



「大野さん、俺も嬉しい、好き、大好き」



背中に腕を回して抱き締める。



「カズ、俺も好きだ、愛してる」



やっと本当の夫婦になれたって大野さんは嬉しそうに笑ったんだ。






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