大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side N
俺は最近ヤバイ奴に出逢った。
そいつは、桜吹雪と一緒に空から降ってきたんだ。
二宮和也26歳。
社会人5年目。
ごくごく普通の会社員。ずーっと彼女なし。
本当は世界の綺麗な景色を写すカメラマンになりたかった。
はずが、休日は家に引きこもるただのサラリーマン。
「はぁっ」
飲み会帰り、酔いが回り公園のベンチに座り込む。
天を振り仰ぐと満開の桜。
「綺麗だなー」
もう何年も触ってないカメラが突然恋しくなった。
指でフレームを作って桜を心に写し込む。
と、突然桜が舞い上がり渦巻く。
突風?
乱れ舞う桜。
そこから突然人が降ってきたんだ。
その人はたくさんの花弁を引き連れるように優雅に降り立って、まるで桜の精のよう。
でも服装は普通の若者のそれで。
端正な顔立ち。
細いけど、ひ弱そうには見えない、多分鍛え抜かれた身体。
夜の光の中で見るからか、髪の毛は深い蒼に見える。
伏せていた瞳を上げるとそれも深い蒼。
木に登っていたのか?
天から降ってきたんじゃないかと錯覚するぐらい神秘的な光景だった。
今まで出逢ったどんな人よりも美しいと思った。
目が離せない程の美しさに、俺は手元にカメラが無い事を後悔していた。
見惚れていると、その人は美しい唇をスッと開いた。
「勿論、喜んで受ける。
近くで見るともっと可愛いな、俺の子を産んでくれるのか?」
「は?」
至極真面目に言う男。
受けるってなに?いやいや、初対面の男に子を産んでくれるかって?
あ、顔は綺麗だけど、こいつヤバイ奴だ。
逃げよう……。
俺はベンチからそっと立ちあがろうとすると、素早い動きで男は目の前に立って俺の両肩に両手を乗せた。
「何すっ……」
抗議の声は、男の唇に飲み込まれた。
そして唇を開いていたために、相手の舌の侵入を易々と許してしまった。
ナニコレ。
ドウシテコンナコト。
突然の事に思考停止する。
「んっ、ふぅ……」
俺の舌を奪うように絡めて擦り合わせて。
こんな状況だけど、ヤバイ、気持ちいいなんてっ!
しかも不思議なんだけど、とてもしっくりくる。
って、流されちゃダメだ。
俺は男の胸を押して離れようとする。
けど、抵抗は許さないとばかりに更に深くなる。
そのうちピリッと唇に痛み。
そして離れる唇。
えっ、俺が齧られた?
普通抵抗する方がする事よね?
口内に広がる鉄の味。
と、思ったら男も自分の唇に傷をつけ、再び唇を合わせてきた。
読んだ後に良いねいただけたら大変励みになります
新作始めましたーっ
桜🌸満開の時期を教えてくださった皆様、本当にありがとうございました
満開の時期を聞いた割にあまり桜が出てきませんが申し訳ない
完全パラレルですが、いかがでしょうか
楽しんでもらえていたら嬉しいです