ソーシャルゲームが世界的に勢いを伸ばしている。FacebookゲームメーカーのZyngaが業績を伸ばし、Amazonまでもがゲーム事業参入を表明したとからもわかる。
日本では、コンプガチャ廃止で業績に影響が議論されてはいるものの、DeNA、グリーの大手2社は順調に右肩上がりの成長を見せている(例えば、DeNAは2012年3月期で28%増の売上高1440億円を見込んでいる(*1、*2)。

この機に乗じて、両社とも世界進出への姿勢を見せているが、果たしてそれは成功するのか?

DeNAによると、同社のモバゲー会員数は約4000万人に上りそのうち約7割がビジネスマンだという。アイテム課金などゲームの過程で料金を支払うモデルを支えているのは、そうしたビジネスマン会員というわけだ。

日本の労働人口が約7000万人で、ユーザーが男性中心と仮定するとそのうち6~7割程度が対象と考えられる。そうすると最大でも5000万程度がポテンシャルユーザーではないだろうか。年収ベースで上位2割にゲームをする時間の余裕がなく、下位2割に資金の余裕がないと仮定すれば、全体の6割程度つまり最大でも3000万人程度が想定される。
グリーなどのライバルが存在することを考慮すると、DeNAだけでビジネスマンユーザーが3000万人近くいるという状態はほぼ国内は飽和状態に近いと考えられる。

従って必然的に海外に目が行く。ソニーや任天堂のようにゲームのプラットフォームを握ってきた日本企業にとって、得意エリアであり次の成長市場ともする向きがあるが、本当だろうか。

人口1億人ちょっとの日本で3000万の優良ビジネスマンユーザーがいるとすれば、世界に目を向けると数億人のマーケットが広がっているように単純に数字の上からは想定できる。

しかし、その数億人のポテンシャルカスタマーは本当に存在するのか? 朝晩の通勤電車に揺られて、あるいは昼時時一人で、携帯ゲームでお金をせっせと支払うビジネスマンが日本と同割合程度に存在するのか?そういった文化・慣習に関わる部分はデータだけでは判断ができない。(グリーは北米での実証を行い自信を深めているが(*3))

既に9億人のユーザーを持つFacebook上でフリーのゲームができるとすれば、乗り換える理由はどこにあるのか?存在しない顧客を対象としているように見えてしまう。

両社が日本で勢いがあり、Facebookが伸びつつあるこの時期に、Facebook上でゲームを提供するベンダーとしてアライアンスを組むことが最良の選択肢のように思える。


*1:http://www.asahi.com/business/update/0814/TKY201208140374.html
*2:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1202/07/news103.html
*3:http://techwave.jp/archives/51751369.html

日系の運送業者さんに集荷に来てもらい、段ボール計2個の航空便荷物を預かってもらった。来週に帰国を控え、いよいよ部屋の片づけも最終段階に来ている。

昨日は卒論担当教官との2回目のミーティングとコンサルタンシープロジェクトのフィードバックがあった。

卒論についてはアカデミック過ぎる内容よりも実際のビジネスに役立つテーマにしたかったので、自分が所属していたグローバル企業の日本オフィスが、世界では成長著しいにもかかわらず、なぜ不振にあえいでいたのかをデータと理論を合わせて検証することにしている。これは実際に苦労を経験したことでもあり、また今後携わるであろう仕事にも役立つ内容なので、非常に興味深く取り組んでいる。

これまで立てた仮説はこうだ。
「世界では差別化戦略が奏功して成長を下支えすることができていたが、実力ある競合他社が多い日本市場では十分に機能せず、また日本のデフレ経済に影響された低価格競争に巻き込まれ、価格メリットを打ち出せずにマーケットシェアを失っていった」
ところが担当教官は、その仮説には反対で説得力に欠けると、価格が購買要因としては必ずしも高くないという意見を展開した。

非常に有意義なディスカッションができた。確かに自分でも完全には納得しきれない部分が残っていたので、日本に帰国後も十二分に自信の持てる問題特定作業を行いたいと思う。

コンサルタンシープロジェクトも同教官の担当であるが、この教官に出会えたことは本学MBAに来た大きな価値だったと思う。コンサルティングプロジェクトは、スタートとゴールを決め、担当者の役割とラフなスケジュールを決めること程度しかモニターしなかった。これはビッグファームのがちがちに固められた仕事のスタイルに対する有効なカウンタークレームだと思う。
問題特定と解決策の提示というコンサルティングワークに本来必要なのは、常識的なビジネスセンスで課題を掘り下げて行って、自分が納得できる真の主原因を突き止めるという誰でもできるはずのスキルであると教えられた。
5月末にテストが終わり(1科目は履修範囲外からの出題が多く今後問題になりそうで、まだ無事とは言えない)、修士論文(Dissertation)に取り掛かっている。

今週水曜日には第1回目の正式な担当教官とのミーティングを持った。今はLiterature Reviewという自分のテーマに沿った関連文献を読んで、仮説を立てて必要なデータを想定するという段階にある。このフェーズである程度、論文全体の結論を仮定することになる。

担当教官とはよい議論が出来ているが、帰国のタイミング上、直接会っての指導は残り1回しかない。現在取り組んでいるテーマは戦略論であるので、戦略コンサルタントでもある担当教官に対して、説得力ある論旨を展開できるか次回27日までに準備をしておきたい。