6年生の3学期は


学校に登校する日が50日余り

卒業に向けてまっしぐらの

小学校生活締めくくりの学期です。


Tくんは

冬場は鼻炎がひどく

ご機嫌ななめの日も多かったのですが

彼なりに卒業を感じて

日々を過ごしていました。

中学校進学には
とても不安を持っていて

事あるごとに

「俺は中学に行ったらいじめられる」

と訴えてきました。


そうかと思うと

「俺が卒業して会いに来るとか
  絶対言うなよ!」

「俺が結婚するって聞いて
  結婚式見に来るなよ!」

などと

凄んでくることもよくありました。

言い終わった後

決まって

Tくん特有の笑顔

「ニヤッ」

が出るのですが🍀


それでも

卒業式の練習が始まる
3月始め頃から

体調も優れず

鼻炎もひどくなって

荒れ気味に…

でも

不安定の原因は何か

実はわかっていました。

とにかく

不安で不安でたまらないのです。


中学進学はもちろんですが

卒業式も大きなハードルでした。

Tくんにとっては

まずそもそも

意味を感じない😅


なぜそんなことしなきゃいけないの?

のオンパレードじゃないですか☝️


何度も
「起立、礼、着席」をさせられ

長ーい長い
来賓や校長先生のお話

うやうやしく
「卒業証書」を授与され

必要以上に演出された感動的な
「呼びかけ」や「歌」
そして
「入場」「退場」…

それでもそのころのTくんは

「やらなきゃいけないんだろ!」

と自分なりに
納得して練習に取り組んでいました。

ところが
あの儀式独特の緊張感は

誰よりもTくんにとっては
想像もできないほど疲れるようで

練習が終わった後は
いつも大荒れでした。



1日1日と卒業が近づいていく

3月の中頃だっだと思います。


Tくんが

「先生、これあげるわ」

と差し出したのが

「四葉のクローバー」🍀

セロテープで押し花のように
はさんでいます。


「え!Tくん、これ四つ葉!」

僕はもう、うれしくてうれしくて
満面の笑顔でした。

すると…

いつものTくんの、

「ニヤッ」が出たかと思うと

「よく見てみろ!それ四つ葉と違うだろ!
 普通のクローバーに別の葉をつけただけ」

「どうせ、先生のために探してくれた
 って勝手に想像して喜ぶんだと思ってた」

「ほんっっと、自分に都合がいいよな!」

と矢継ぎ早に

悪態をつきました。

いえ、

それはTくんにとっては

精一杯の

僕へのメッセージだったと思います。


僕が何も言わず

ただただ喜びをかみしめていると


「こっちがほんとの四つ葉だからあげる」
ともうひとつセロテープで包まれた


「三つ葉☘️プラス1」の

Tくんが作った

「四葉のクローバー🍀」を

渡してくれました。

僕は

「わぁー😊ほんとだ、四葉だ🍀」

と言うと

待ってましたとばかり

「ほんと、わからないやつだな!
 よく見ろ!ばか!」

とまた悪態、いやメッセージ…


Tくんは

四葉のクローバーを

きっと

探したんでしょうね…

でもなかった。

で、作った…

世界に一つだけの (いやふたつか😅)

「三つ葉☘️プラス1」の

「四葉のクローバー」🍀



卒業式当日

Tくんは

長かった髪を切り

ブレザーを着て

立派に式に参加しました。


式が終わって

教室では、

僕の最後の子どもたちへの

涙、涙の最後の授業も

じっと聞いていました。


そして…

教室を後にし

保護者の皆さんや
在校生が作る花道を通って校庭へ。


お母さんに言われ

しぶしぶではありましたが

僕と一緒に写真を撮り

Tくんは

巣立っていきました。



卒業以来

Tくんとは出会えていません。

気になって

中学での様子や高校に進学したことまでは

問い合わせて確認しました。

でも
その後は
どうしているのかわかりません。

大人になったTくん

会ってくれるでしょうか。


もし会えたら必ず

見せます。

「まだ持ってるよ😊
   四葉のクローバー🍀」

Tくんはきっと言うでしょう

「ニヤッ」としながら

「なんでそんなもの持ってるんだ!
  そんなもの持ってて俺が
   感動するとか思ってるんやろ!」って
  

今日も読んでいただきありがとうございます