Billie Holiday - Strange Fruit | ooltcloud

Billie Holiday - Strange Fruit





自伝によると、この曲はルイス・アレンの詩に感銘を受けたビリーが
自分の父の死と重ね合わせて作った曲だそうだ。

やはり自伝を読んでから聞くとますます想像が掻き立てられる。





今日も曇りだ。

ここしばらくまともな外出をしていない。

あおいは仕事があるので毎日出かけているが

私は相変わらず仕事に縛られ引きこもっている。

それに、どうも人ごみは苦手だ。

人に酔うと言うのだろうか。

大勢の人間の中に紛れると、普段から異常なまでの想像力の私の脳は

その力を私に再度誇示しようとしているかの如く

私を遥かなパラレルワールドへ強引に連れ去ってしまうのだ。

そしてその後は大抵、あまりの情報量に私が対応しきれず、ぶっ倒れるだけである。

こんな年になって人前で倒れるなどごめんだ。

それならば極力出かけないで済むならその方が良い。

だが、さすがにずっとこのままではいけないだろうか。

あおいとこれから暮らすのであれば尚のこと。

今までは外界とはなるべく係わり合いにならないように生きてきた。

だがこれからは多少色んな面で妥協していかなくてはならないのかも知れぬ。

私の覚悟がいよいよついたという事か。

だが今までは、夢うつつの中でほぼ暮らしてきた。

陰湿で退廃的な空想を、貪り尽くす妖獣に恋焦がれて生きてきた。

人間急に変われるものでもないし、もしかしたら

あおいは私のこのような退廃さや気だるさを好むのかも知れない。

まっとうに成ろうという訳ではない

それにまっとうな人間とは一体どんな人間だ。

確実なものなど無い。

誰が本当のことを知っているというのだ。

この世の中の一体何が 本物だと言えるだろうか。

ああ

そう考えたら少しは楽に息が吸える。

いいではないか。今のままの私で。

多少は努力はするがやはり自分らしさが一番だ。

無理をして生きても良い事など無いではないか。

だったら、胡蝶になりてこの現し世をなんとなく生きなぞらえても

きっと大して変わりはしないだろう。

あおいも溌剌と元気にというやつではない。

きっと私側の人間であろう。

だからなのか。

だからかもしれない。

だからあおいは私を選び、私はあおいを受け入れようと言う気に

なったのかもしれない。

斜に構え 気だるそうに毎日をなんとなく漂っているあおいは

まるでそれこそ胡蝶ではないか。

そのあおいがあんな激情を見せてきたというのはきっと

並大抵のことではないだろうに。

わたしはあおいに感謝する。

どんな形であれ、 わたしは私を愛してくれるすべてに

感謝するべきだ。