奇妙な果実― Billie Holiday
ビリーホリデイの自伝
奇妙な果実
彼女の数奇な運命が、淡々とした語り口調で書かれている
あまりに淡々としているので、よりリアルに
少女時代の苦悩やつらさが伝わってくる。
楽しいことやすばらしいことにさえ、変わらぬ単調さだが
なぜなのか上気した熱や歓喜はしっかり伝わってくるのだ。
強い女性とはこのようなことなのかと、感動を覚えた自伝だった。
ようやく通常の非凡な日常に戻りつつある。
だがやはり何かが変わってしまったようで
それは私が変わったのだろうかと多少戸惑いを感じる。
無性に照れくさいのだ。
これは何なんだろう。
本当に戸惑っている。
あおいは暢気なもので
私の言葉を多少過剰に受け取っているのではないかと
思ってしまうくらいすっきりした顔をしている。
思わず噴出してしまうほどだ。
だが なんと表現したら良いか。。。
以前にも増してなんと美しくなったことか。
確かに以前から美貌を誇ってはいたが
益々艶やかさが増し 色気が出てきたというべきか。
だが再三言っているが私は健全な男なので
そういった間違いは起きるはずも無いのだが
それでもやはり見惚れてしまいそうだ。
視線は痛いほど感じるが、今のところ私に纏わりつくと言う事はない。
ただ、夜の話し相手に誘うのが多少照れてしまうようになったのだ。
だがあおいは賢いのでその辺は弁えている。
きちんと自分の役目はこなしてくれる。
だが沈黙に至ったり 私がたまに饒舌になった時
あの眼で あの潤んだ素晴しく長い睫毛に囲われた、
綺麗なアーモンド形の、若干切れ長で芸術的な二重の
陰りのある瞳でじっと見つめられていると
おかしな気分になってきそうなのだ。
なぜ今更あおいに照れる必要があるのか。
まったく自分がわからない。
もう少し度胸をすえないといけない。
あの瞳で見つめられても平然と見返すくらいの図太さを。
身に着けなければ引き込まれてしまいそうだ。
あおいと一緒に暮らす。
そう私が決断したのだが 少し焦りすぎたのだろうか・・・
いや 男が一度決めたことだ。
何があろうと乗り切ってみせよう。
