たわいの無い話 | ooltcloud

たわいの無い話


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旅とはよく言ったものだ。



本当に旅をしてきた



移動距離としても 人間としても。






今回の旅行はあおいとであった。



なぜだか唐突に誘われ



予定ががら空きだった私は容易に承諾してしまったのだ。






文章にしてしまうとなぜか儚く感じてしまう。





とにかく 旅行と言っても国内であったが


なんだか異国を彷徨っていた様な気分だった。




それは間違いなくあおいの影響だ。




初めて人と旅行に行ったからなのか


それがあおいとの旅行だったからなのか



もうどちらかも判らないしどちらでも良い。





とにかく 雪深い村で佇む彼を見ていると


無性に郷愁にかられている自分がいた





なぜこんなに掻きたてられるのか。。。。


まったくの謎だが





昔造りの古い萎びた建造物の間を


遥か遠くを見ているような眼をして


無関心に歩いているあおいは


本当に画になった




今まで私は何を見ていたのだろうか


と思うくらいに彼の本当の美しさに魅入ってしまっていた




男に対しての性癖などまったく無い


そんな私でさえかなり魅了されてしまったのである




それは旅先で良くあることなのだろうか




確かにそこは遠く暗い闇から連綿と続く文化の情緒を残し


はるか昔を髣髴とさせるような雰囲気に纏われ


戦で死んだ亡霊が出てきてもおかしくないところではあった




そして あおいに異常なまでに


魅入られたのはその場所だけであった





もしかしたら彼の先祖はここで生まれ育ち


今の彼に続く血をここで育んできたのかと思われた


このぴったりとした雰囲気は


先祖返りと言うべきか・・





だからあおいもかの地を求め


ここまで来たのか・・・





お決まりのように私は何も聞かないし


彼は何も話さない



彼はここで何かを感じ


そして私は


漠然とした衝撃を感じている彼の隣にいる。。。


それでいいのだ




お互い想像に耽り 遠くはるかな昔を偲び


そして思いを馳せる





それが大切なことなのだ





誰かと一緒にいて 思いは遠く彼方に。




それがとても安心できることなのだ





私は旅をしてきた。



あおいと二人で。





そしてあおいの孤独を感じることができた気がする。






数少ない私の友の心の琴線に


一瞬でも触れることができたのだから


この旅はとても良い旅だったと言えるだろう。