一昨年のあの一件以来、ここでの練習会にはいつも助けられている。
寡黙だけど誠実で実直なコーチの方々。
ひたむきに走り続ける仲間達。
その足音と呼吸音の中で黙々と走り続ける感覚が気持ちいい。
自分の練習で走っていて「気持ちいいな」って思えたのっていつ以来だろう。
ずっとここ数ヶ月走るたびに頭の中は「痛い」でいっぱい。
「なんで走っているんだか」
「早くやめちゃいたい」
そんなことばかり繰り返し考えていた。
火曜日のSWAC練習会で、脚の状態の悪さに嫌気がさし、
それでも水曜日の練習会でB練のみんなに元気をもらい。
なぜか、その日の夜ぐらいから脚の状態がいい方向に。。。
昨日は、朝起きたときから、今までよりワンステップ確実に軽い状況になっていた。
痛みが完全に無くなったわけではない。
もちろん痛い。
でも、まったく力の入らなかった右脚に力が入るようになっている。
今まで、踏みしめると強い痛みがあったものが軽減されている。
そんな状況の中で、味スタを走るのは実は少し怖かった。
何しろ味スタのコンコースは固い。
通常でも、脚に来る負担はロードやトラックの比では無い。
でも、新しい相棒WAVE IDATEN DYNAを信じて走ることにする。
このシューズ、また機会が合ったらインプレッションするが、
クッショニングといい、反発といい、今の自分にはベストフィッティング
かつてWAVE AMULET 2と出会ったときと同レベルの衝撃だった。
話がそれた。
準備運動のときから身体が動く。
ここのところ、平均睡眠時間は3時間以下。
疲れていないはずは無い。
それでも、何というか身体にキレが戻ってきている。
特に、右脚でしっかり立てるようになっていることに気がつく。
いい流れのままにアップに。
やっぱり脚が痛い。
ダメか・・・
そうあきらめかけた時に思い出したふたつの言葉。
Nトレーナーの「腰を高く保って中心を意識してください」
Kトレーナーの「踵接地にならないように」
思い直して、下腹部に力を入れ、脚をしっかり蹴り上げて真上におりるようにフォームを意識する。
すると・・・痛くない。
てれてれ走っているときより脚への衝撃は強いはずなのに、しっかりとそれを受け止めて地面の反発を感じられる。
ひさしぶりに右脚を使って走っている感覚。
これならいけるかもしれない。
なんとなく希望がわいてくる。
メニューは10000m+1000m
10000mの設定は4'30"/kmで7000mまでで、残り3000はレース後半を意識してあげて行く。
改善しつつあるとは言え、不安の残る脚。
無理はしたくないので、先々週同様に+1000mはパス。
ラスト3000も上げないつもりで走り始める。
走りはじめてすぐに気がついた。
余裕がある。
むちゃくちゃ余裕がある。
先々週走ったときは、もちろんある程度の余裕はあったけど
やっぱり「走っている」って感じにしないと走れなかった。
しかし、昨日はジョグの延長線上でゆったりと走る感覚で普通にスピードに乗る。
これが、両足が使えるってことなのだと実感する。
今週の火曜日までは、右脚は本当に添えるだけ。
ほとんど左足1本で走っていた感じ。
それが、アップでつかんだ感覚を大切にしっかりと踏みしめられている。
これは・・・楽しい。
多少(/)ペースが振られてもまったく問題ない。
ちょっとした体重移動でついて行ける。
淡々と、集団で走る空気が気持ちいい。
あっという間に5000。
今までは、この辺から鈍い痛みがでるのが昨日はまったく問題ない。
足首も膝も腸脛靱帯も腰も何ら問題ない。
もちろん呼吸も上がらないし、心拍も平常。
7000を過ぎ、フリーペースへ
上げないつもりだったが、コーチの「余裕のある人は上げましょう」のコーチの言葉に身体が自然に反応する。
脚を踏み込み、反発を気持ち良く受け止めるだけ。
それだけでペースが上がって行く。
力は入れない。
ただ、リズムと反発だけを大切にしっかりと足を置いてく。
そう、欲しかったのはこの感覚。
でも焦りは禁物。
力を入れそうになる身体にセーブをかけ、あくまでも力まずに自然に。
それでも、前の目にりになって行く身体は止められない。
明らかに想定より速いペースで10000m終了。
うん。いい感じ。
ひさしぶりにいい練習が出来た。
練習後、Nコーチから「股関節からしっかり脚が動くようになっていた」
Uコーチからも「右脚構えより使えるようになりましたね」
と言葉をもらった。
まだまだ万全ではないが、確実に前に進んだようだ。
そして、Uコーチからは「脚の切り返しを大切に」とアドバイスをもらう。
そう、その感覚がないと脚が伸びきって踵接地になってしまう。
あくまでも走りは回転運動なのだ。
いい練習会だった。
家から遠いし、時間もおそから肉体的には辛いけど。
ここで得られるものは、今の自分に取って何よりも大切な言葉。
そして大切な仲間達。
大丈夫、まだまだ走り続けられる。
そう思える。
また忘れられない練習会となった。