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(牛くんが食べてるものは?)

[感動の循環システム]
さあ、物語のクライマックスです。
キビ農家にとって、切り落としたキビの葉の部分は無用の長物。
一方、牛農家は冬場の牧草収穫量が激減します。
そこで、収穫を請け負った畑から葉を持ち帰り、牛に食べさせるのです。
しかも、キビの葉は栄養満点!
毎日食べさせると牛が太りすぎてしまいます。
ちなみに、食べる牛は太らせますが、繁殖用の母牛は不妊症の原因となるため、太らないよう管理しています。
うちの牧場は牧草地が豊富なため、冬場でも不足はしません。
そこで、キビの葉を食べさせて節約した牧草を、足りない牛農家に販売するのです。
これがプラスアルファの現金収入となり、厳しい経営環境を下支えしています。
世界的な金融恐慌による不景気で、高級和牛の相場は下落の一方。
反面、地球温暖化防止のために始まったバイオエタノール生産にトウモロコシなどの穀物が振り向けられたために、牛の飼料は2倍以上に高騰。
ほとんどの牛農家が赤字経営を余儀なくされています。
だからこそ、この現金収入は本当にありがたいのです。

[移住の喜び]
この素晴らしき農家間のワークシェアと奇跡の循環システムを理解したとき、私は感動に打ちふるえました。
これが、私が移住した意義と証だと。
始めは重労働に辟易していましたが、今では誰にも負けないくらい、この仕事を愛しています。

しかし、最近、少し不安な要素が頭をもたげてきました。
その辺は、また明日にお話ししましょう。
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(愛用のキビ折り斧)

[収穫料金]
キビ農家からもらえる収穫代行料金は、1トン4000円の完全歩合制。
一人1日2トン収穫して8000円。
決していい仕事には思えない……が、やめられないオイシいことがある。その秘密はあとでね。

[ワークシェアリング]
牛農家は冬の間仕事が少ない。
牧草の成長が鈍るので、刈り取り作業がない。
一方、製糖工場の操業は12月16日から翌年3月末までと決まっており、キビ農家は猫の手も借りる状態になる。
そこで、牛農家とキビ農家の素晴らしきワークシェアが行われるのだ。

[現金収入]
収穫代行料金は、発注した農家から支払われるのではなく、製糖会社がキビ農家に払うべきキビ代金から天引きして、収穫代行者に支払ってくれる。
安心して、面識のないキビ農家からも受注できるのだ。
しかも、10日毎に締め切り、その7日後に現金で支給される。
イマドキ茶封筒に入れて(笑)
ウチの牧場の場合、1シーズンに約100万円の現金収入となる。

さあ、いよいよ麗しきサトウキビ物語のクライマックスは、また明日に……
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(サトウキビの鞘頭部)

[なぜ]
なぜ牛農家の私がサトウキビの収穫をしているか?収穫してるサトウキビは、他の農家の畑のもの。
そこには、深くて美しいワケあるのです。

[収穫方法]
コンバインによる機械刈りと、人手による手折りが五分五分。機械刈りは楽ですが、葉や土、根などの不用なダストが多く入るため、製糖会社の引き取り価格が低くなります。
手折りはまず、葉の部分(鞘頭部=しょうとうぶ、と言います)を、鎌で切り落とします。
次に根元を斧で切断し、おおよそのダストを取り除きます。
一山300~400キロを目安に積み上げます。

[出荷]
製糖工場の操業予定に合わせて、事前に出荷日が割り当てられています。
悪天候でも休めないのです。
出荷日には運送業者が、サトウキビの山をワイヤーでしばってクレーンで吊り上げ、ダンプに積み込ます。
一台6トンが目安。
製糖工場に搬入後計量され、数キロサンプル抽出して糖度とダスト量を検査され、価格に反映されます。

[収穫量]
畑一反(300坪)あたり5トン~10トンと、畑によって差があります。
最大の要因は植え付けからの雑草の手入れ。
一人が一日に手折りできる量は2トンほど。

続きはまた明日……