(牛くんが食べてるものは?)
[感動の循環システム]
さあ、物語のクライマックスです。
キビ農家にとって、切り落としたキビの葉の部分は無用の長物。
一方、牛農家は冬場の牧草収穫量が激減します。
そこで、収穫を請け負った畑から葉を持ち帰り、牛に食べさせるのです。
しかも、キビの葉は栄養満点!
毎日食べさせると牛が太りすぎてしまいます。
ちなみに、食べる牛は太らせますが、繁殖用の母牛は不妊症の原因となるため、太らないよう管理しています。
うちの牧場は牧草地が豊富なため、冬場でも不足はしません。
そこで、キビの葉を食べさせて節約した牧草を、足りない牛農家に販売するのです。
これがプラスアルファの現金収入となり、厳しい経営環境を下支えしています。
世界的な金融恐慌による不景気で、高級和牛の相場は下落の一方。
反面、地球温暖化防止のために始まったバイオエタノール生産にトウモロコシなどの穀物が振り向けられたために、牛の飼料は2倍以上に高騰。
ほとんどの牛農家が赤字経営を余儀なくされています。
だからこそ、この現金収入は本当にありがたいのです。
[移住の喜び]
この素晴らしき農家間のワークシェアと奇跡の循環システムを理解したとき、私は感動に打ちふるえました。
これが、私が移住した意義と証だと。
始めは重労働に辟易していましたが、今では誰にも負けないくらい、この仕事を愛しています。
しかし、最近、少し不安な要素が頭をもたげてきました。
その辺は、また明日にお話ししましょう。


