最近の世の中は「時短」がキーワードです。「タイパ」とか言ったりしますが、時間が短い方がより良いとされています。

 

もちろん、仕事など短時間で済むに越したことはありません。しかし、動画でも最近はショート動画が流行ったり、映画も長時間の映画は座ってられないという方も増えているようです。そして長い文章が読めない人も増えているそうです。

直ぐに結果が出るものに流されていく世の中になっているようです。

 

その善し悪しは社会学者などに任せておくとして、ここでは、「タイパ」で失われてしまう能力の事を書きます。

それは「不安に耐える力」です。「ネガティブ・ケイパビリティ―」と言ったりします。

 

学校の勉強は答えが用意されています。その場合はすぐに解ける方のが良いでしょう。しかし人生の問題、「なぜ私は生きているのか?」「私の価値はどこにあるの?」と言った問題の答えは、問い続けて、何十年も答えが出ない方が多いです。

 

ネガティブ・ケイパビリティーが低いデメリットは次の通りです。

・安直な結論に達しやすい

問題を深く考える癖が無いと、表面的な情報だけで分かった気になってしまいます。陰謀論や「あの人は私に嫌がらせをしているに違いない」など一部分の情報だけで決めつけてしまいます。

 

・白黒思考

物事を白か黒で考えてしまうことです。「私は受験に失敗してしまった。人生終わったに違いない」「仕事でミスをしてしまった。もう出世はない」などです。

別に一流大学に入ることだけで人生が決まるわけではありません。学歴無くても社会人として尊敬できる方は多いです。一部の情報を鵜呑みにして、あたかもそれが全てのように感じてしまいます。

 

物事はいろんな側面から見る事ができます。「そういう見方もあるよね」と色んな方面から検討することが必要です。

 

・行動力が無くなってしまう

不安に耐える事ができないと、行動することができなくなってしまいます。

どんな事でも先に進むためには不安がつきものです。新しい職場、新しい仲間など人生を前に進ませるためには、ある程度の不安を受け入れないと、そこに立ち止まってしまいます。

情報を完全に集めて、完全に予測を立てる事は不可能です。やってみないと出来るかどうかは分かりません。

ある程度成功の見込みが立てば、飛び込んでいかないと成功できません。

 

などのデメリットがあります。タイパと、効率を追求をするのも良いですが「なんのためにそれをするのか?」という事を常に意識しながら自分で考えて行動をしましょう。