みなさん、「科学的介護」という言葉をご存じですか?

 

自分ははじめこの言葉を聞いたとき違和感しか感じませんでした。

 

科学的介護とは、厚生労働省が推進する「科学的裏付けに基づく介護」のことで、2021年度から本運用が始まっているとのこと。

お恥ずかしながら全然知りませんでした。

 

自分は先日読んだ下記の本の中で初めて知りました。

 

 

 

 

 

この本の最後の方に科学的介護について記載されており、以下のように紹介されています。

 

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厚労省の「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」が二〇一九年七月に取りまとめた資料によれば、科学的介護とは、次のようなことを指すという。

エビデンスに基づいた自立支援・重症化防止等を進めるためには、
①エビデンスに基づいた介護の実践
②科学的に妥当性のある指標等を現場から収集、蓄積し、分析すること
③分析の結果を現場にフィードバックすることで、更なる科学的介護を推進
といった、現場・アカデミア等が一体となって科学的裏付けに基づく介護(科学的介護)を推進するための循環が創出できる仕組みを形成する必要がある
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「エビデンス」だとか、そんな言葉も出てきましたね。
こんな言葉介護の世界には似つかわしくないと思うのですが…。
もちろんエビデンスがまったく必要ではないということではありませんが、介護というものはデータだとかエビデンスだけで解決できるものではありません。

 

エビデンスやデータで解決しようとするのは、人を人と思っていないのでしょうね。
人の心や多様性を完全に無視しています。
(もちろん上記の本は、科学的介護を批判的な意味で取り上げています)

 

介護というものは、その「人」にしっかり向き合わないととうまくいきません。
その人の性格であるとか、その人の歴史であるとか。
これまでの家族環境なども深く関わってきます。
ADLだとか認知機能の評価だとか、そんな表面的なデータだけでひとくくりにすることはできないのです。

 

ちなみに介護報酬には科学的介護に関する、「科学的介護推進体制加算」という算定項目があります。
利用者のデータを科学的介護情報システム「LIFE」というところに提出して、フィードバックを受け利用者のケアプランや計画へ反映したりするようです。

 

ちなみに提出するデータは以下のようになっています。

 

要介護度、障害高齢者の日常生活自立度、認知症高齢者の日常生活自立度、評価日、評価時点、ADL、身長、体重、義歯の使用、むせ、歯の汚れ、歯肉の腫れ・出血、認知症の診断、生活・認知機能尺度、Vitality Index

 

どれもこれも表面的なデータですよね。
これを提出してフィードバックを受け、それが何の役に立つというのでしょう。
ただただ無駄な労力としか思えません。
そのデータを入力する時間があるなら、その分を要介護者のケアに充ててほしいです。
入力する時間を要介護者との会話に割いてほしいですね。

 

ちなみに上記入力作業をすることで、事業所には一月一人あたり40単位(400円)の収入となります。

 

「科学的介護」という言葉には違和感しか感じませんが、以下のサイトによりわかりやすく説明されています。

 

「科学的介護」でこれからの介護のあり方が変わる!?その言葉の意味と4つのメリットをわかりやすくご紹介

 

もはやツッコみどころ満載でしかなく、読んでいるとツッコみ疲れを起こします。
心に余裕のあるときに上記サイトを訪れてください。

 

冒頭からして
『科学的介護とは、要介護者の自立支援や重度化防止につながることなどが、数字データなどの客観的なエビデンスによって認められた介護サービスのことです。』
→人というものは数字やデータだけで評価できません。

 

『しかし科学的介護を取り入れることで、「10分の散歩を○カ月継続することで、筋力が◎%アップし、歩行速度が●%速くなる」と、具体的に数字を用いて示せるようになるのです。』
→その人の体質、食事などにもよるのではないですか?特に食事がひどいという介護施設もあったりしますよね。というか「人」の気持ちを完全無視しています。運動嫌いな人に運動を押しつけても、運動の成果は上がらないばかりか心が先に病んでしまいます。

 

『メリット1 介護の質が向上する
介護保険制度の理念である「高齢者の尊厳を保持し、自立した日常生活を支援すること」を、より実現することにもなります。』
→高齢者の気持ちを無視しています。

 

『メリット2 介護の質の標準化が進む
エビデンスに基づいた介護を実践することによって、どの職員であっても同じ効果を引き出せるようになります。』
→それはないだろ。介護の世界に「標準化」という言葉は似つかわしくありません。

 

『メリット3 介護サービスの生産性が向上する
介護職員が提供サービスを考える時間なども短くなり、生産性が向上する可能性があります。また、それにより、介護職員の負担が軽減することも期待されています。』
→「可能性がある」「期待されている」って…。生産性が向上するというエビデンスはないとういことですね。まずはそちらのエビデンスを確立しましょう。

 

『メリット4 介護サービスに対する理解度が高まる
例えば、「少しきつくて、イヤだな」と思っていた運動も、その効果が具体的に示されることで、やる気をもって取り組んでいただくことにつながるかもしれません。』
→イヤなものはイヤです。他人は他人、自分は自分。人のデータなんてどうでもいいのです。個性を完全無視しています。

 

人をなんだと思っているのでしょうね。
ただただ「効率性」を求め取り入れているだけのような気がします。
「エビデンス」を錦の旗にし、「画一的な介護」にしようとしているだけのような気がします。

 

なぜならこれから介護職員不足がより深刻化するから。

 

上記「メリット3」にもあるとおり、「介護職員が提供サービスを考える時間なども短くなり…」なんて書かれていますね。
それに人の心を無視し、エビデンスに基づいた画一的な介護でいいのなら、介護職員は人間である必要はなくなりますね。
ロボットでも良いということになります。
高品質なAIが搭載されていればなお良いですが、ポンコツAI搭載ロボットでも良さそうです。
決まったルールに基づいた介護だけしていれば良いのですから。
AIなんてなくても良いかもしれません。

 

いま外国人労働者に頼っている部分もありますが、それでも十分とはいえない。
というかいまや貧乏国日本ですから、外国人労働者にとっても日本で働く金銭的メリットはないでしょう。
他の国の方がよほど稼げます。
いずれ日本は見捨てられるでしょうね。

 

しかし何でもかんでも「科学的」だとか「エビデンス」だとか本当気持ち悪いですね。
まさか介護の世界にまで入り込むとは思いませんでした。

 

これから要介護者に良かれと思って声かけしても、「その声かけ、エビデンスがないですよ!」とか怒られる日が来るのだろうか。
こんなんじゃ、ますます心ある介護スタッフは辞めていくでしょうね。

 

介護のことをSNSで発信した日には大変なことになりますよ。
頭のかったい人から、「それエビデンスあるんですか?」とか攻撃されることが目に浮かびます。
ワクチンのときと同じように。
「心」を大事にしている介護職員ほど「エビデンスのない介護をしているトンデモ介護職員」と言われかねません。

 

こんなことに報酬付けたり、介護のことを考えているふうでいて、結局はなにか利権がらみもあるのかもしれませんね。
それくらい違和感しかない制度です。
だいたい訳のわからない制度・概念が急にできるときって、利権がらみのことが多いですね。

 

ちなみに冒頭で紹介した、「実録ルポ 介護の裏」という本、おすすめです。

これから介護を受ける身になるであろう中高年諸君、高齢の親を持つ中高年諸君、介護の世界につてわかりやすく書かれています。
汚い部分も。
汚いとは、虐待であるとか、介護施設の裏側とか。
金儲け主義のところもあるよとか。それを自治体に通報しても、自治体はほとんど動かないとか。
表面的内容でもっと深掘りしてほしいなというのはありましたが、そこはまた別の本やらニュースで調べると良いです。
良いこととか理想しか書いていない介護本よりは、このような裏の部分まで書かれている本の方がよっぽど参考になります。

 

「老人は歩くダイヤモンド」
そう言っている介護経営者もいるのです。

 

そんな奴らに食われないためにも、介護の世界の知識は入れておいた方が良いです。

 

安くない介護保険料を徴収されているのだし介護保険を使わないのはもったいないとも思いますが、なるべくなら介護のお世話にならないよう健康を維持していきたいですね。

 

ただ「介護は家族でおこなうもの」とかそのような気持ちで無理をするのはよくありません
共倒れになったら元も子もありません。
それに大変な日々が続き心に余裕ができなくなるといずれ虐待にもつながってしまう可能性もあります。

 

介護する人はちょっとでも「大変だな」と感じたら、役所に相談に行くべきです。
「おすすめ介護」をすべて導入する必要はありません。
気になるものを少しずつ導入しぜひ試して欲しいと思います。

 

けど今後は十分な介護が受けられない日が本当にやってくる可能性が高いです。
やはり介護が必要にならない体作り、健康について知識を深めていくことが必要かなと思います。

 

あっその辺の医者が行っているような知識なんてクソの役にも立ちませんから。
皆さんもすでにお気づきだとは思いますが、特に新型コロナワクチン推奨していたような奴らとかね。
こういう奴らは特にエビデンスエビデンスって言う人種ですけど、エビデンスなんて簡単に曲げられるものです
だから余計に介護にエビデンスというのが素直に受け入れられないのです。

 

医者じゃなくても○○エモンとか、要注意です。
新型コロナワクチン、子宮頚癌ワクチンも推奨しまくり、ピロリ菌除菌も推奨しまくり(むやみやたらに除菌するのは良くないことがわかってきています)、話題のGLP-1ダイエットも本人自身がやっておりSNS等で公表しています
GLP-1受容体作動薬の危険性についてはご自身で調べてください。
いろんな健康被害が報告されています。
むやみやたらにGLP-1ダイエットを行うべきではないことは自明です。

 

素人の方でも健康について勉強されている方は本当に尊敬します。
その辺の医者よりも正しい知識を身につけている方もいます。
だけど、こと○○エモンに関しては「素人が余計なこと言ってんじゃねぇよ」と言いたくなってしまうのです。
巨大な影響力を間違った方向に使っているから。
害でしかありません。
ただただ○○エモンの発信で儲ける人が多くいるから、守られているだけです。
カネ持ってんだかなんだか知りませんが、あの人のステータスなんて「まぼろし~(IKKO風に)」ですよ。
いずれ化けの皮が剥がれ(もう剥がれてるともいえるけど)、周りに誰もいなくなる日が来るような気がします。
真実に気づく人は着実に増えていますからね。

 

脱線してついつい愚痴ってしまいました。

 

人は必ず年を取っていきます。
健康について正しい知識を仕入れることは絶対無駄になりません。
1日5分でもいいので、健康について学んでいくと良いかなと思います。
ただ本当の健康について学ぶには、社会の仕組みやら、社会の裏側も知っていかないといけません
医療とは関係ない、と思えるものが実はつながっていることもあります。
医学だけを学んでいればいいってことではないです。
医学バカにならないよう気をつけてください。