小説「Feather -美しい羽という名の夢-」

第23章(続き) 「目覚め」







「ハクは私の子と・・・ちゃんと助けてくれたでしょ?」



「――・・・・・っ・・・ありがとう、美羽・・・・」



涙がポタ、と羽織っていた布に落ちる。



人前で、泣いてしまうのは・・・久しぶりだ。



きっとみんな驚いている。



僕はごめんね、とありがとうの気持ちを込めて



美羽のことをやさしく抱きしめた。



美羽の声ではなく、息が聞こえる。



「・・・・美羽、顔赤いよ?熱あるんじゃ・・」



セシルがそういうと、僕は美羽から離れた。



思わず、抱きしめてしまったけれども・・・僕は何を



しているんだ。



「いや、その大丈夫!」



美羽は両手で頬を抑える。



そして、しばらくボーっとしてる。



「どうした?美羽。」



「・・・ううん、別に・・」



「そうか、じゃ僕たちはこれで。」



「――うん」



僕らは部屋から出る。



「美羽、大丈夫そうで良かったね。」



セシルは言う。



セシルは、なんだかんだ言うけれどやっぱり天使。



やさしいのだ。



みんな、平等に見てくれている。



「・・・ハク、ご飯食べようぜ。」



コウヤが僕の肩に触れる。



「しるこ、おごってやる。」



「えっ」



めずらしい。



コウヤがおごるなんて。





「でも、僕、今日はあんみつな気分・・・」



「あーもうどっちでもいいから!」









――僕とコウヤはトレイをもって椅子に座る。



この城の中には、寮生が使う食堂がある。



・・・みんなは、そのまま天使食堂と呼んでいる。



寮生はタダでご飯を食べられるのだ。



けど、お菓子などサイドメニューは別料金。



僕はここのお汁粉・・・白玉が大好き。



昔、初めて食べた時の感動はまだ鮮やかに覚えている。



もちもちして、つるっとなめらか・・・・・たまらない。






コウヤとお昼を過ごすことはあったが、



おごられたのは、また珍しいことだ。



いつもなら、「おごってくれ」というような感じなのに。



―――もしかして、僕のことを元気づけてくれて・・・?



考えすぎだろうか。



「おばさーん、追加でお汁粉と白玉あんみつと抹茶パフェ・・」



「ちょっ!まて!ハク、いつ俺が3つもおごるっつった!!」



「え、ダメかい?」「ダメに決まってるだろっ!」



コウヤと話すと楽しい。



疲れがなくなるんだ。



結局、コウヤはお汁粉とあんみつ分のお金を出してくれた。



・・・抹茶パフェは自分だけど。



久しぶりに時間を忘れるくらい、楽しいお昼を過ごした。



これも、コウヤのおかげだ。



部屋に帰ろうとするとき、僕はありがとう、と言うと



「がんばれよ」とコウヤはいって、部屋に戻って行った。




一度、美羽の部屋に寄ろうと思ったが



あまり行き過ぎると変な人と思われるだろうか・・・。



少し考えた後、僕は真っ直ぐ自分の部屋へ戻って行った。







続く