世間全体がステイホームに努めたGWが終わった。

わが家は、コロナ対策に加えて介護があるので、仮にステイホームの出来栄えの採点を受けたとすると、かなりの高得点になるのではないかと自負している。

その証拠になるかどうか、連休を通して印象に残ったのは、

一に、頻回のトイレ介助
ニに、痰吸引

と介護一色である。

正直、このGWは、上の2つの事に明け暮れた印象しかない。うち、痰吸引のことは、少し前の記事で触れているので、今回は、トイレ介助について書いてみようと思う。これくらい魅力のない話題もそうそうないので、適宜スルーしていただきたい。

まず、トイレ介助の回数についてだ。うちの妻は、もともとトイレが頻回だが、今後、ヘルパーの導入をする上でも、1日どのくらいの回数か実際に数えておこうと思い、連休中のある1日を使って朝から寝付くまでカウントしてみた。

結果、ちょうど30回。

正直、もっと多いと思っていたので不満が湧く結果だった。不満というのも変だが、自分が苦労しているトイレ介助が、数値的にも確かな多さだと、何だか認められたような気分になるが、少ないとその逆の気分になる、妙な心理が働いた感じだ。

20数回目のカウントをしている頃、もっとペース上げないと30回に達しないだろう!と全く本末転倒な思いでジリジリ数えていたところがある。

その妙な心理をさておいても、体感的にもっと多い日が確実にあるので、おそらく40回に届くこともあると思う。この日1日のなかでも、用を足しズボンを上げたら、途端にもう一度下ろしてくれと言われたことが2回あり、それを別に数えれぱ32回になるところである。

多い多いと盛って書いても仕方ないが、それにしても多いことは確かだと思う。

が、あえてカウントしてみて気付いたが、問題は1日あたりの回数でなく、集中する時間帯があることだろう。

例えば、カップラーメンに湯を注いでから出来るまでの間に2回、トイレ介助をしなければならないことがあった。

1日の間に30回が均等に分散されていればさほどではないが、数分おきの高頻度で、何度も繰り返されるときの精神的ダメージは、無視できないと思う。

入浴介助の場合には、時間や体力を必要とするが、気構えをして、1日1回に限って行うので、そういう意味での精神的負担はあまりない。

ところがトイレ介助は、いつ来るか分からない。
家事で手が離せないとき、そこで娘が何かをせがんできたとき、そのタイミングに合わせて、1分前に済ませたばかりのトイレ介助をもう一度となったとき、にこやかに介助出来る人は、まずいないのではないか。

ただ一人の妻の、避けられない生理的な用事だとしても、イラッとせずにはいられない。そして、介助するときに、ついイヤミを言ってしまったりする。あるいは、我慢して何事もないように、にこやかに済ませることもあるが、どちらにしても精神的なダメージは大きい。

ああ、本人だって辛いのにまたイヤミを言ってしまったという感じで、その自責もまたダメージになる。これが1日何回もあるとその蓄積は本当にそれなりのものになる。

また妻の場合、手が弱いので、ペーパーをちぎって拭くことまでを手伝うようにしているが、例えばしばらく時間がかかりそうなときには、用を足したあとに呼び鈴で呼ぶよう頼んで、その場を離れたりすることがある。

そうして一人残しておくときのために、あらかじめちぎったペーパーを手の届く置き場においておくのだが、5回分使えるようにちぎって置いておいたペーパーを1回で全部使ってしまっていると、少しだけイラッとしてしまい、イヤミを言ってしまうことがある。

こんなくだらないことでイヤミなど言いたくないが、あ、全部つかっちゃったんだ、という言葉が口をついて出てしまい、ああ、また言ってしまった、となるのだ。

もちろん体力的にも、ばかにならない。
妻はヨボヨボしているものの、なんとか歩けるので、着座と立ち上がりを介添する程度なのだが、それでも1日数十回くり返すと、若干腕が痛くなっている。 

今、補高便座に変えるよう介護機器メーカーに相談しているが、今後もっと体力が必要になった時を想像すると心配は尽きない。

そんなわけでトイレ介助に明け暮れたGWだったが、問題は、連休明けの明日からどうするかだ。

愛知は、5月いっぱい学校が休みなので、小二の娘は家にいるし、その世話をしながら、トイレ介助を1日するのはなかなか大変だ。加えてここ数日、痰の具合もかなり悪い。

昼間、妻の面倒をみてくれている義母は、僕がいなくなる明日からどうしようと嘆いていた。

巡り合わせの悪いことに、僕の職場は、明日から完全に通常勤務になる。GW前には、いったん1日おきに出勤と在宅勤務をローテーションするようになったのだが、一部部署が破綻寸前になって取りやめになってしまった。

真面目な話し、義母に全てを任せるのはキツイ。娘が家にいる5月だけでも、週に1日か2日くらい、介護休暇を取るしかないと考えている。

ただ、職場で説明するとき、トイレ介助が大変だ、という話しが伝わらないだろうと思う。肉体的にも精神的にもこんなにキツイというのに。

それを伝える練習も含めて記事を書いてみたが、やはり伝わらないよなぁと思っているところである。