娘が注文していた商品が届いた。

宅急便のお兄さんが持ってきてくれた。




私に荷物を渡した後、そのお兄さんは

「あの、針金みたいなものありませんか?

側溝に何か落とされたらしいんです。」

と言った。




私は、一緒にその側溝の所に行ってみた。

若い女の人が側溝を覗き込んでた。

何だろうと思って、側溝をのぞいたら鍵が落ちていた。

一度、自宅に戻り、針金ハンガーを持って行った。



宅急便のお兄さんに

「私が対処しておきますよ。」

と声をかけたらお兄さんは去っていった。



女の人に懐中電灯で照らしてもらって、

針金ハンガーを変形させて、引っ掛けて取ろうと思った。

女の人は

「鍵に丸いものがついてる。」

と言うけど、なんのことかわからない。

気づくと片言。

アジア系の女性。




鍵を引っ掛けて、側溝の外に出そうとしたら途中で女性は鍵をひったくろうとしていた。

私が、盗るとでも思ったのか?



落としては困るので、女性を制して鍵を引き上げた。

鍵を渡すと女性は

「ありがとうございました。」

と言った。

私は、もう何も言わず、自宅へ戻った。




我ながらいいことをしたと思った。

でも、なんとなく虚しかった。

近くの交番にでも連れて行けばよかった。