5月の5日から7日にかけて東京に滞在しておりました。たかが3日間、されど3日間。一言で片付けるつもりはないけど、とにかく「濃密」でした。

◆大喜利天下一武道会
【第5回 天下一チームバトル】
会場:コール田無(東京都西東京市)
開場:12:30 開演:13:00


これ。何をおいても今回の上京目的がこれ。人生で3回目となる生大喜利の舞台。これほどまでの規模の大会も、東京での参加も初めてのことでした。
名だたる面々が一堂に会する、言わば大喜利の祭典のようなもの。かねてからお名前を存じ上げてる方が多数でしたが、見知った顔はせいぜい全体の3割ほど。
普通なら、いつもなら萎縮する展開が待ち受けてそうなものですが、今回ばかりはそのお祭り特有の空気と心強いチームメイトの存在に平静を保つことができていました。
あと、はじめましてなのにわざわざMAにお声掛けしてくださる方も多数いらっしゃいまして、それがとてもとても染みました。思わずカン違いしそうになるほどありがたい話です。
そんな温かさの裏にも熱気をはらんだ東京3DAYSのメインイベント。MAの拙い視点から、簡単にではありますが振り返らせてください。既に記憶もおぼろげなため誤爆等は平にご容赦を。

◆4グラム所持
和壱郎
いえーい!(キルヒホッフ)
MA


これが僕らのチームです。よくよく考えたら2人は同大会を最後まで勝ち抜いた経験のある山王工業のような存在。理論的に、実績120%の2人にほぼゼロに等しいMAを乗法したらどうなるか。小学生にも導き出せる解じゃないかよう。
ただ、それ以前に4グラム所持が結成に至るまでには本当に紆余曲折がありました。もともとの始まりはキルヒホッフからの一本のメッセージ。

「MA、天下一チームバトルに一緒にでようぜ」

かなり早い段階でのことだったから、ノリみたいなところもあったと思うんだけど、MAとしては素直に嬉しく光栄なことだと思ったので、その申し出に快諾をしました。付き合いはそれなりに長いし、現状で生という舞台でのキルヒの存在なり実績を知っていたからです。
しかしながら、そこから当初の目論見はことごとく崩されていきます。加えてキルヒの不確定なスケジュール事情も重なり、暗礁に乗り上げたまま前進も後退も叶わない時期が続きました。
和壱郎さんを3人目として迎えることができた頃には、大会のエントリー枠も定員に達しようかという勢いで、なんとかラス2での滑り込みを果たせたものの、まだ大会への出場にゴーサインを出すことができていませんでした。
この時点でひとつ決めていたこと。当人にも伝えてはいたんだけど、キルヒが出れないのであればMAが出ることもありえませんよってこと。チャンス云々の話ではなく、単純にそのことに意味を感じなかったからです。

で、話は大会当日にジャンプします。前日ぐらいにようやくグレーな部分が払拭されていたので、もうやるっきゃない状態にはシフトチェンジしていました。ここまで来れたらある程度の欲は出していこうかいなと。出れたね良かったねじゃ終われないですもの。
開演時間ギリギリに会場入りし、地下へ降りていくとすぐ2人に見つけてもらえました。久しぶりの再会と大会出場への喜びを噛み締めた瞬間、スタートラインがグンと後方に遠ざかっていくのが見えました。

予選の組み合わせ抽選の結果、僕らは真ん中より後ろめのFブロックに入りました。有利不利があったのかは未だもって分からないんだけど、前半はじっくりと他ブロックの戦いを見つめながら、大会そのものを自分なりに掴んでいくことに努めました。
善くも悪くもネット大喜利だなと評されることの多い自分としては、やはり生の舞台でも徹底してお茶を濁していくしかないのかなと思ったり。
今回は特殊なお題が多く、これには後々苦しめられていくことになります。序盤でも荒れ場というかカオスなシーンがあり、そのときは純粋に戸惑っていました。あれはあれで確かに面白いんだけども。

4グラム所持は抽選の関係で、1問目の選択権がありました。今にして思えば、頭を悩ませるお題の中にもやってみたいものは幾つかありました。限定穴埋めとか、3・3・3川柳とか。どちらかと言えば、ネット大喜利に寄せたようなホーム感のあるお題。思い切って挑戦させてもらうのもアリだったのかなーなんて。
トップバッターの和壱郎さん。東北大喜利杯からのご縁ですな。いつも喫煙所でしかお話できてなかったのに、遂に一緒にチームを組ませてもらうところまでやって参りました。和壱郎さんの印象を端的に表すとしたら“多彩”さではないかと。手数も多いし、イラストなど多方面からのアプローチをかませる強みがあります。
ちょいエロ画像お題での「茶道部」は一気に持ってたよなぁ。あそこで絶対決まったと思った。結果的に僅差で落としたのは展開のアヤだから仕方のないことだけど、戦略にも則ってたしすべてが正しかった。
MAは2番手として、女子力お題なる珍問に臨みました。とは言え、妙ちくりんな画像が出てきた時点でもう縛りに囚われることを放棄していました。もはや深夜のPHPよろしく、都合の良い解釈で好き勝手やらせてもらえたことが功を奏したのかもしれません。客席に1番の赤い札が並んだ様は壮観で、ただただ震えていました。
アンカーのキルヒ。これまた松澤さんが回答の邪魔をするという、実験的要素がいささか悪目立ちをしすぎた光景が舞台上で繰り広げられていました。序盤でなかなかキルヒの手が挙がらず心配していましたが、最終的には松澤さんを巻き込んでより収拾のつかない始末になるという、ある種の問題作として帰結しました。だからこそ、ここはキルヒにしかこなせなかったと思っています。
肝心要の最終お題。満を持して、ではなく気を遣ってもらう形で再びMAが送り出されました。安易に受けてる場合じゃねえだろうがよう。個人的にガチの問題作となってしまうほど結果を残せず、錯視画像にも酔ったのか気が遠くなる3分間でした。東北大喜利杯の苦い思い出がこみ上げてきて、一瞬、会場が鯨幕で覆われたかのような幻覚を見ました。MAの顔には黒い縁取りがあったかもしれない。いや、遺影の写真のほうが笑顔なだけまだマシか。
敗者のたらればって本当に無様だと思うからどうこうは言いません。自分もよく使ってしまうけど「出しきれなかった」ってのは絶対に違うもんな。

ここからはさらに主観を強めて、特に印象深かった方々について。正解不正解の判定は無しの方向でひとつ。思ったこと感じたことをそのまま書き上げていきます。

まずは優勝した『まるお、直泰、ネイノー』の御三方。改めましておめでとうございます。
優勝コメントで言葉が上手くまとまらないネイノーさんでしたが、大喜利やってるときはホント隙が無くてほとほと感心します。“ネット大喜利勢”が立てたフラッグ。これほど誇らしいことってないです。
直泰さんと直泰さんの大喜利を生で観れたのは本当に嬉しかった。3分間で出せる質とは到底思えないし、村上春樹お題で他者を置き去りにしていく様は圧巻でした。
まるおさんは最後の最後に客席を巻き込んで根こそぎかっさらってくあの感じ。劇的には映ったけど、きちんとした下地があってこそのこと。
この3人のパワーバランスは群を抜いて優れていたってことじゃないでしょうか。

全体を通して最も印象に残っているひとりが鞘さん。良い意味で裏切られたというか、勝手に思い描いていた印象をいきなり崩されて、もう目が離せなくなりました。本戦の大声で中華料理の名前を叫ぶお題は対戦相手も含めて凄まじかった。

対抗でもうひとり挙げるとしたら村橋ステムさん。もちろん初見でした。真っ先に掴まれたし、もうのっけから面白すぎました。あれだけ絶対的な存在がひとりいるとチームは楽だろうなぁ。俺スナさんとかもともと実力のある人に気負わず伸び伸びやられると、手をつけられないし太刀打ちできるわけもない。きっとチームバトルの良さってそこにあって、MA自身も実力のある人間に引っ張り上げてもらってたんだと改めて実感することができました。

どんどんいきましょう。続いて赤黄色さん。自身のツイッターで「あらためて自分の大喜利は理論より感覚だな、と思った」と呟かれていましたが、それって心底MAが目指していたい在り方なんですよね。いびつでも磨いて磨いて研ぎ澄ませたい。赤黄色さんはその感覚が人より秀でているに違いない。初めて仙台で観たときと変わらぬ圧倒ぶりでした。眩しい・・・。細い・・・。

PHPつながりで、およそ5~6年ぶりの再会を果たしたのが都さん。本戦の合間にガッツリとネット大喜利の話をさせて頂くことができたのですが、都さんは本当によく人のボケを覚えてらっしゃる方です。ネタボケのどの回のこれが最高でした、みたいな回顧がいちいち正確で凄い。久しぶりに会っていきなりネタボケの自分のボケを音読されるってなかなかないぞ!生の舞台での都さんを観るのは初めてだったんだけど、狂気にも似た才気がほとばしっていました。天才をこじらせて近いうち鬼になるんじゃないか。

忘れちゃいけない東北大喜利会。罠箱さんとエスアンさんにチョムさんが加わるってほぼ東北オールスターだからね。王と長嶋のチームに川藤が加わるイメージだったのに、チョムさんは掛布でした。ガチでした。罠箱さんが最終お題でしっかり仕事をして一発で持ってってた。ああいうところを見習わないとまだまだ東北の牙城は崩せそうにないよ。エスアンさんとお話をしたときにポイントを取れなかったことをすごく悔やんでました。あれだけ場数を踏んでも向上心が半端ないなんて。実績にあぐらをかかない象徴のような方だと思いました。犬飼さんもめっちゃ面白かった。同ブロックの同お題でふじこさんが爆発してたんだけど、遜色なかった。生の舞台へ進軍する東北の急先鋒、吠駆さんからもますます目が離せない。見過ぎさんはチームメイトが強烈過ぎたけど埋もれてなかった。あと1問あったら完全に押し切ってたと思うし。何なんだよ東北最高じゃねえかよ。

ちょっと話が散らかって締まりのない終わり方になりますが、本当に貴重な経験をさせてもらいました。主催の松澤さんに謝辞を述べると共に、忘れてはならない真のMVPがもう一人。その横で司会兼ツッコミとして、獅子奮迅、縦横無尽の活躍をされた橋本さんでしょう。とにかく博識でツッコミやコメントが鋭い。以前からお話を聞いてるたびに、言葉の選び方や言い回しが印象的で、つくづく頭が良くスマートな方なんだなと思ってました。橋本さんのMCがあるならまた是が非でも、と本音で思わせてくれる方です。本当に長丁場お疲れ様でした。

まだまだこんなもんじゃないんだけど、いかんせん時間が足りなすぎたよなー。全然ご挨拶できなかった方も多数いたし、次は大阪にも来てくださいよとおっしゃってくださる方がいたり。

自分は大喜利を始めたのがそこそこの年齢になってからだったから、ここ最近急激に焦ってるのかもしれない。日に日に細胞は死んでいってるけど、まだまだ今以上にやってやりたいって気持ちがあります。こと大喜利に関してはそういうところを見せていけたらいいな。と。

今回はそういった意味でもチャンスをもらえました。絶対次につなげて見せます。感謝は尽きませんがこのへんでいったん失礼します。すみませんねホント。


あと、まったく大喜利から関係ないこぼれ話。この翌日にまた面白いことがあってですね。天下一チームバトルすら喰いかねない楽しい思い出を作ってきました。こちらはこちらでまたまとめることができればと。

はい、そんな感じで~す。