”あなた(ペースメーカーを)いつ入れたとね”とプールでの常連の女性から声をかけられました。私も常連のひとりですから顔は存じ上げていますが声をかけられたのは、はじめてでした。”痛かったね”と追い打ちをかけられまた。”局部麻酔で十分耐えられました”と応えましたら安心したような顔になりました。それにしても、よく見てあると思いました。その方は水泳をしたり日替わりで2階のジムでマシーン

を使って身体を鍛えるのが日課だと言ってありました。それ

 

から数日して体格のいい男性が”(ペースメーカーを)いつ入れたとね”と同じようなことを聞かれましたので”はい、

まだ新米です”と応えましたら、にやっとしながら”そうね、ここに来よる男も(ペースメーカーを)入れとっとばってん、自覚症状は全くなかったげなよ、あんたはどうやった

と”と聞かれましたので”その方と同じように異変を感じた

ことはなくて定期検診のときに脈拍数が少ないと言われその日から入院させられました”と自慢話に移ろうかと思いまし

 

たら、”そうね、俺も脈拍は58しか上がらんが、毎日、泳

いでもどうもなかと”。”ところが狭心症の疑いがあるて言われたばってん、無理を言うて家に帰ってルーツを調べたら狭心症で死んだひとがごろごろ居ったとよ、手術ばしろて医者に言われた、ばってん、もう82歳になるまで生きたけん、

くよくよせんで好きな酒を飲んでマージャンをして、のんびりやろうと思うとります”と言ってから話が機関銃のように話題を連発してきます。大学を出て薬剤師になろうと思った

 

が薬品会社にはいって右肩上がりのイケイケドンドンの良き

時代であったという件から家族の話になりかけたところで長風呂のためか脂汗が出来てきましたので”先輩、長湯ですが大丈夫ですか”と話をストップしてもらおうとしましたら聞

き上手?が災いして”うんにゃ大丈夫!”と言う返事にもう忖度の時代を卒業した身でもありましたので”いやあ、興味あるお話をありがとうございました”と無理やり中断して泳ごうとしましたら、のぼせてしまってプールサイドで座り込

 

んでしまいました。これにしても、何故ペースメーカーを入

れたのかすぐばれるのかと思いましたが、考えてみたら洗濯板のように痩せた鎖骨の上にくっきりと円形のメースメーカーが浮き出ていますから、いやでも目につくんですよね。それにしても声をかけられるのは、ありがたいのですが、その後、高齢者の特権?である自慢話にはくれぐれもご用心のほどを。


      プールでは裸の付き合いですから刀傷がモロに

      わかりそのひとの病歴が垣間見えま~す      

                     ぐっさんハイ

5号台風は九州を直撃するようです。くれぐれもご用心のほどを。最近、私は参考になるようなレベルではないということを自覚してもっぱら声を嗄らすことに専念しています。つまりこの競技は実際に自分で習得するものであって、私のように空気伝染すると思い込んでいる輩には通用しない競技なんです。ですから競技会場に乗り込んで”OO番がんばれ!”と優雅に踊るカップルに罵声を浴びせて溜飲をさげる

 

ということに快感を感じています。競技会はトップクラスから私のようなボトムクラスにも希望を持たせるレベルまで、いろいろあって面白いですよ。中には私より年配の御仁
スッと伸ばした背筋で孫のよう女性とステップを踏む様は微笑ましく、いや羨ましく思わず”この幸せ者!”と叫んでしまいます。しかしなんですなあ、ここだけの話あたしだって歓声を浴びながら踊ってみたいですなあ(おっさん、想像

 

できないわよ)声を嗄らしたあと、てめえではやれないくせに、ああだ、こうだと批評するのも一興です。さて、いつものように公共施設の2階から高みの見物をしていましたら私より少し若い男性が来て下界の様をみていました。そうして”俺と踊る女はいないな”と呟きましたので親しみを覚えて”私みたいな下手は相手をしてくれる人がいませんからね”と媚びるように話しかけましたら”そうですね、私は7

 

年ほど海外勤務をしていましたから身体をつくることから始めないとダメなんです”と言いますから”失礼ですがどちらにいらしたんですか”と訊ねましたら”タイです”と言うじゃありませんか。”私は隣りのマレーシアに居ましたよ”と応えましたら”エッそれは奇遇ですね”と意気投合
して東南アジア談議に花が咲きました。あたしゃマレーシアではダンスのダの字も思い浮かべたことはありませんでした

 

が、タイではダンスホールに行ったことがあったそうですが、いわゆる男と女の出会いの場所として存在するので本格的な施設はなかったと解説していました。また下界に目を転じた男性は、”アッいつも踊っている女性が来ている”と言って姿を消しました。そうして、その男性は私の手の届かないハイレベルの女性と優雅な踊りを見せつけて私の前をアッという間に通り過ぎていきいました。

   タイでも本格的な教習所もあるんだそうですが、

   セレブが通う社交ダンスの人口は極めて少ない

   と言っていました。

         日本でも落ちこぼれ ぐっさんハイ
     

今が暑さのピークひと頑張りです。ネタが少し古くなってしまいましたがお付き合いください。シャバに復帰して久しぶりに社交ダンスの会場を覗きましたら、”わあ~久しぶりね、生きとったね”とエールを頂きました。”借金取りに追われて病院に逃げ込んだら死ぬ目にあいました”と駄洒落を返しました。温かいエールをもらいながら、半年も姿を消すと話の肴になったようで中には死亡したという噂も流れて、涙
を流すひともいました。いつも壁にへばりついて立ちん棒なんですが、このときばかりは入れ替わりで年末のような忙しさでした。久しぶりだったのか、出所祝いなのか、次々と踊って頂き、また入院しようかと思いました。社交ダンスではちょっとしたハプニングにも遭遇することがあります。いつもは高根の花の婦人が”踊ろうか”と誘ってきたんです。普段は手の届かないレベルの方でしたから”何かの間違いだろ
う”と思いましたら”あの12月〇日〇〇でパティーがあるんです。そこで、あたしデモるんです。ぜひ、あなたに来てほしいの”と囁くんです。一瞬、めまいを覚えながらアッという間に一曲終わりました。なんとなく視線を感じるんです。それもおっさんの。2曲目にはいっても勧誘が続きました。”急に誘ったのでヘンに思ったかもわかりませんが、ほかにも何人か来ていただくんですよ”と安心させるのか、
がっかりさせるのかわからないことを言うんです。さらに”二万五千円なんですが一万円でいいです”。と目の玉が飛び出るようなことを言うんです。あたしゃ(オンナ付きですか)という言葉を飲み込んで一万円でも高額なのに二万五千円も出していく人がいるのか帰宅して、かみさんに聞きましたら”あら〇〇ホテルでしょ。それフツーよ、私たちだってそんなものよ”と平然というじゃありませんか。日常生活で
はスーパーの売り出しのチラシを穴のあくほと睨みながら買い物をするくせに社交ダンスの世界では雲の上に乗るような、気分になるんですなあ。で、一万円も出して覗く必要があるかと頭を1回転させて”申し訳ないがやめます”と断りました。すると視線を感じていた、おっさんと”やっぱりダメだった”と高笑いしていました。やめてよかったと思いました。12月は鼻の下の長いおじさんをカモにするレディが横行しま~す。
   
    アザがつくほど つねってみたが 色が黒くてく   わからねえ    
      インスタント都都逸愛好会 ぐっさんハイ