抗がん剤の投与を受けてベッドに横になっていますと、め
まいや吐き気に襲われます。そこで私はヨロヨロしながら
点滴の金具を杖代わりに立ち上がって病室を歩こうとしま
した。看護師が飛んできて”危険な状態です、もし転倒で
もしたら大変です。すぐやめてください”と言われました
でも寝ているといろんな副作用が襲ってきて余計に苦しく

なる、歩きながら皆さんの忙しい姿を見ていたら気が紛れ
る、ご迷惑でしょうがお許しください”と担当医に三拝九
拝して、とんでもないことをお願いしました。周囲の人は
奇人を見るような眼差しで見ています。確かに神経が外に
向いた分楽になりました。骸骨が夢遊病者のように病棟を
さまよう姿は話題になりました。中には同じ病棟から、

”頑張るですな、私も見習おう”と励ましか皮肉かわから
ない声がかることもありました。私は自分の病状の深刻さ
はわかっていますから恥も外聞もありません。3回ほど自
宅と病院を往復して化学療法の結果「緩解」と夢のような
診断を受け家内と手を握り合って喜びました。1ヶ月後、
担当医が深刻な顔をしながら次のようなことを言いました

 緩解(かんかい)とは血液内科(血液関係のがん)の
 医学用語で外科で言う「完治」という意味なんです 
                   ぐっさんハイ