”深夜のパーティーに出かけました”とのたもうた長屋のおじさんが朝の6時というのにベンチに座っていました。私は孫が朝のイチ便で東京に帰ることになりましたので仕方なく早起きさせられたのですが、その方は、御髪も整えて服装もいつもの決まったスタイルでした。私は孫が出てくるまで一緒にベンチに座って雑談しはじめました。”最近の猛暑は私のような老体には堪えますな”とぼやきましたら、彼は”そ

 

うですね”と言いながら意外なことを口にしました。”実は

社交ダンスをはじめたら面白くなって先生からもデモに出ないかと言われて冥土の土産にと思って10月のパーティーでデモンストレーションをすることにしました”と言うじゃありませんか。あたしゃ80前後の、この御仁を見詰め直しましたそういえば、この方の奥さんが痴呆がすすんで「断捨離」を断行し団地の荷車をなんども往復していましたが、奥さんを

 

ケアハウスに託して心身がさっぱりしたのか、社交ダンスをはじめて、今度は満座のまえで社交ダンスを披露する、、。

事な切り替えに驚いてしまいました。そうして素晴らしいと

思いました。で、社交ダンスの相手や授業料など下世話な話を聞こうとしていましたら孫が現れましたので聞けませんでした。さて、そのデモンストレーションに関する話なんですが、トライするひとは圧倒的に女性が多いんです。そのレッ

 

スン料にまつわる、トラブルがあるんだそうです。たかが社交ダンス、されど社交ダンス。デモを試みる人にはバカにはできないほど銭がかかるという話はしたことがありますが今

回、所帯を持ったばっかの先生が結婚を理由にレッスン料を値上げしてくれと言われたそうです。話をしてくれた生徒というか、その方は長年レッスンを受けているので、免除すると恩着せがましく言われたのが癪にさわってキャンセルして

 

しまったと言っていましたが、夢を売る商売も夢がなくなるような話になるんですねえ。私がときどき相手をして頂くレ
ディは別の考えの方で、先生と名乗る相手には惜しげもなく金を払うんですが彼女曰く、”私はそのときどきで楽しく踊

れたらそれで十分。レッスン料とか衣装代とか先生への謝礼など払って、わずか数分でパーになるデモなんて気が知れない”とのたまいながらその時々を楽しんでは足を引きずりな

 

がら引き揚げていきますが、足腰を痛めながらも踊り続けるしぶとさは圧倒的に女性が多くて男性にはみられない執念を感じますねえ。身体を痛めながら踊り続ける彼女たちは”だってさあ、大事にし過ぎて筋肉を弱めたら益々痛みが増すじゃないの”という言葉に代表されるように日々研鑽に努める姿には頭がさがります。別に社交ダンスでなくてもいいですから、体を鍛える何かと出会えたらいいですねえ。

 自宅に掛ってきた電話に”ハイOOです”と出たが何も言

 わない。無言電話かと思ったら”あんた一体誰かね、わ

 しゃ、あんたになんかかけた覚えはない!”と言ってガ

 チャンと切られた。オレオレ詐欺の腹いせかと思った。 

                     ぐっさんハイ