昨今、弱者、弱者とテレビやマスコミが煽てるものですから、弱くない
子供たちまでその気になって弱者が急増しています。そんなひとに目
を通してもらいたい記事が、ある新聞に掲載していました。「家では毎
日飲んだくれる父と行商で疲れ果てた母がののしり合い、2人いた姉
は家出した。すさんだ環境に育つ中で7歳のとき、スラムにできた図書
館を知る。それが転機になった。図書館を開いた日本のNGOシャンテ
ィ国際ボランティア会の設立35年を祝いに今月、来日した。”薬物、ばく
ち、売春。悪いことならすべてあるスラムで、唯一の避難場所でした。
エッフェル塔など世界の名所の写真が載る分厚い本にまずは夢中にな
り、やがて館内の蔵書を読み尽くした。成績抜群で奨学金を得て名門高
校に進む。周りは車で送り迎えの金持ちの子ばかり。毎朝4時半に起き
て母の商売の準備を手伝ってから路線バスに乗り渋滞がひどければ途
中下車で学校まで走った。”ただ一生懸命で、ほかの子と自分を比べる
余裕はなかった”。かいあって超難関の政府留学生に選ばれ、大学から
ロシアへ。修士号をとって外交官になった。5月には通訳として首相とプ
ーチン大統領の会談に同席した。階級社会のタイで、ここまで壁を突破
してきた成功物語は珍しい。”突破には機会と決意が必要です。私には
図書館が与えられた。そして、母をスラムから助け出すという決意があり
ました。すべての子に、せめて機会が与えられる社会にしたい。将来そん
な仕事も、と考えていた。」これはタイの首都バンコックのスラム街に生ま
れ育ったオラタイ・プーブンラープ・グナシーランさんという私のような年寄
りには2度も同じ名前を口にできないような37歳のサクセスストーリーなん
です。写真を拝見しますと何の不自由もなく家族愛を一心に受けながら育っ
たような穏やかな顔立ちですが、ひとは見かけによらない苦難を浴びながら
も強固な意志と強靭な行動力を知恵を出しながら外交官というタイの階級
社会のお嬢さんやおぼっちゃまでも掴むことのできない超エリートの道を進む
ようになったんですねえ。モンスターママに申し上げたい。学問だけじゃ、ひと
や国を動かすような大きなことをやり遂げられず、血反吐を吐くような苦難に
も耐え突破することなんですねえ。
職業に貴賎はないと思うけど 生き方には貴賎が
ありますねえ 永 六輔 代読 ぐっさんハイ
*また今週から土曜日もお届けしてご迷惑をおかけします。