すぐギブアップすると思われた奇行は周囲の心配や思惑をよそに朝
6時半、午後2時、夕方5時と判で押したように院内を徘徊し続け
て、2回目の治療が完了しました。その結果のデーターを手にした
主治医が飛んで来て”ぐっさん10cmあった腫瘍が4cmになってい
ます、予想以上の改善です!もちろん内臓も正常に機能しています
”と医師らしくない、一般人のような喜びようで教えてくれるじゃ
ありませんか。うれしくて涙が止まりませんでした。H先生は、

”あなたが一生懸命リハビリをやられたことと今度は腫瘍を小さく
することに主眼を置いて抗がん剤の投与の効果がでてきたことが、
よかったと思います。しばらく休養して3度目の投与で一気に(
腫瘍を)叩きましょう。とノリノリの口調で弾むように言います、
私は”先生もう内臓は正常になったとなら口から食えるんですね”
と媚びるように言いましたら”いいえ用心のため点滴で栄養補給
を続けましょう”と他人事だと思って素っ気ない答えが返ってき

ました。因みに絶食のとき飯が食いたいと思ったのは体調によって
も違うと思いますが、私の場合は内臓が動き始めて、しばらくした
らテレビのCMをみても食いたくなり配膳車とすれ違ったらついて
いきたくなりましたね。ところが絶食も1ケ月を経過したころから
慣れというか惰性で点滴で過ごしても、さほど飢餓感を感じなくな
りました。3回目の作戦が近くなり口から物が食えるようになりま
したとはいっても最初は流動物です。さっそくかみさんがスープな

どを差し入れてくれるようになって気持ちのうえで一般人に近かく
なったと意を強くしました。とにかく身体を動かし汗を掻くことは
普通の人でも生活を維持ためには必要なことでしょうが、出来るだ
けベットを離れて動き回り、現役のみなさんが忙しく働いている中
を徘徊することで刺激を受け副作用に襲われる暇がないというか気
持ちを転換させるという体験をしました。実際はいろいろあるんで
しょうが意識を別に向けたんです。貴重な体験でした。さて私が、

勝手に薬漬けは副作用があって大変だと騒いでいるのですがガンに
は無縁で幸運な方には入院日記など迷惑な話ですね、でも、もうし
ばらくお付き合い下さい。それにしても抗がん剤は劇薬です。です
から化学療法なんか止めとけという学者や医師がいます。しかし私
は化学療法に賭けました。だって、おなかが破裂しそうな状態だっ
たし西洋医学に頼るしかありませんでした。そんなことを思い浮か
べながら院内を徘徊していましたら素敵なひとと出会いました。

  普段は表情を顔に出さない医師が「 破顔一笑」という
   言葉がピッタリの表情に驚喜した かみさんとぐっさん