いやあ、秋場所のフィーバーぶりはすごかったですねえ。満員御礼の連
チャンだったそうですね。それにしても逸ノ城って相撲とりはなかなかの
ものですな。先便の出前は先輩関取・旭天鵬を持ち上げた内容になって
しまいましたが、今回はこの怪物を持ち上げないわけにはいけませんな
(どっこいしょ)。でも200キロ近い巨体はあたしのような年寄りには持ち
上がりませんぞ。それにしても、底なしの強さはどういっていいかわかり
ませんな。しかし業界の親方連中はやけっぱちに”大したことはない横綱
なんて。精々三役とまりだ”と陰口を叩いていますが、悔しかったら親方
あんたがとってみたらいいですよ。その強さがわかるから。新米大関の
豪栄道が対戦まえに”(あんなの)問題ない”と言い放ったんですが自分
が問題にされませんでしたねえ。続く相手の横綱・鶴竜も横綱というブラ
ンドに硬くなって動きが取れず、てめえの得意技である「はたきこみ」で
破れ、館内は興奮の堝と化していました。今ままで、俺たちゃ、なにをし
てたんだという空気が先輩力士を包んでいました。押して良し、引いて
良し、とはいいませんが、あるアナウンサーが”大きい、速い、うまい”の
三拍子揃った力士だと褒めまくっていました。あたしにいわせたら”大き
い、ゆっくり、うまい”とくりゃあ水商売の御姐さん方が放ってはいないと
思いました(余計なことをいうんじゃないの)。実際の話もうアプローチ合
戦がはじまっているんじゃないかしら。あら余計な話になってしまいました
が、いまこの怪物との対戦ははじまったばっかですが気の弱い力士の中
は就活を開始した先輩もいるんじゃないかしら。みるほうは楽しいばっか
ですが、実際ぶっつかるほうは、ぶっ壊れるんじゃないかと夜も眠れない
んじゃないでしょうか。エジプトの格闘技と勘違いしている相撲取りとの
対戦なんか、ありゃプロレスですよ。それにしても和製の豪栄道、遠藤を
はじめ散々な秋場所となりました。和製力士の名前を出すだけで気恥ず
かしいモンゴル勢の活躍でしたねえ。そんな中で、密かに期待をしていま
したのが照ノ富士という関取で、秋では5勝しかあげることができません
でした。この関取は最初、日本人かと思っていましたら、やっぱモンゴル
からの出稼ぎだったんですねえ。横綱白鵬の親父さんから柔道などを習
っていてその素質を見抜いた親父さんから日本で相撲をとるよう薦めら
れ鳥取城北高校に相撲留学して実業団からプロになり平成の怪物とおな
じ足取りで大相撲の世界を席巻中です。両者に共通の出稼ぎという試練
が人物を大きく成長させるんですかねえ。手がちぎれるような重たい水を
汲むために、狼を恐れながら手足がかじかむような極寒など、ジパング
では体験できない「不便さ、不自由さ」が光や希望を与えるんですかねえ。
小話:ある、中年夫婦が田舎に帰省するため新幹線に乗って
いた。車窓を眺めながら夫はいった。”早いなあ”。妻も外を
みていった”本当ねえ”。夫は続けた。”いや時間が経つのが
さ、こどもが、手がかからなくなって人生アッという間だもんな”
実家に帰ってのんびりしたからか夜になってふたりは久しぶり
にベッドをともにした。妻が呟いた。”早いのね”。”そりゃ、そう
さ新幹線に乗ったんだから”。 ぐっさんハイ