カラスがゴミの回収時に荒して困ると、たまたま団地の役員さんが外にい
ましたので、ぼやきましたら団地中で問題になっていると教えてくれました
ゴミに網を被せるとか手はありませんかと問いましたら”いやカラスのやつ
は頭がよくて人間さまが考えるようなことは次々とクリアするとタバコを吸い
ながら話していました。長屋の入り口に県が指定した年代ものの楠の木が
ありますが、そこにすぐ巣をつくるんだそうです。なんどか、その巣を壊すと
すぐまた新しい巣づくりをはじめてお手あげだそうです。巣とやらは、どこ

から拾ってくるのかクリーニング屋が配達するような針金状の着物掛けを
何本も集めてきて巣づくりをするそうです。壊したら、またつくるといったイ
タチごっこだとタバコを忌々しそうに深く吸い込んでいました。で、ゴミの回
収は清掃の方がつついた残飯はイチイチ拾ってきれいにしていくといって
いました。ヤワな人間がふえている時代になんども追い払われてもケロッ
と戻ってくるカラスの群れは相互関係が濃厚だそうで、食えるものを見つけ
たら、よその縄張りのカラスも飛んできて襲うんだそうです。どんなコミニュ

ケーション網があるのか聞いてみたいですな。さて、そんな立ち話をしてエ
レベーターに乗ろうとしましたら雲をつくような青年と一緒になりました。リフ
トに乗るときにすこし頭をななめにするぐらいでしたから”失礼やけど、背が
高いね、どれくらいあっと”とぶしつけに訊ねましたら”194です”と答えが
返ってきましたので”バスケかなんかしよっとね”と聞きましたら”いえバレ
ーです”と応えてくれました。ある晴れた日、ゴルフバックを抱えた御仁と一
緒になりましたから、”こんな晴天の日でしたからスコアも伸びたでしょう”と

いいましたら”いや、天気とスコアは関係ありません”とニコリともしないで
重たそうにバッグを担いで降りていきました。スコアがよくなかったんだと
思いました。こないだなんか”最近は暑さ、寒さのアップダウンが、激しくて
あたしなんか生きていくのが大変ですよ”と乗り合わせたご婦人にいいまし
たら、うえからしたまで見渡しながら”お宅なんかより私のほうが年寄りです
物忘れがはげしくなって、忘れ物を取りに行ってなんだったか忘れてしまっ
たということがなんどもあります”といって大笑いになって”あら、行き過ぎた

”とあわてて降りてありました。以前、くすりをやめたら元気を取り戻したと
いう、おばさんが1階でケアハウスの迎えの車を待ってありました。元気に
なられたのは結構ですが、おしゃべりが好きな方で相手の都合はお構い
なしというタイプのひとりで、俯いて通り過ぎようとしましたら”あら、お元気
ですか”と声がかかり、しばらく立ち話と相成りました。健康講座にはじま
って家族の話から孫の話になって、これからというときにケアハウスの車
が来て開放されました。私の長屋にはいろんなひとが住んでいます。
   
   さびしい世相に負けないよう あたしゃ、ひと言、声をかける
   ことにしています。案外、応えていただく方が多いんです。
     年齢、性別、貧富に関係なく 挨拶をする ぐっさんハイ