1回目の抗がん剤を服用しましたが、何の変化なく”楽勝”と思いました。腹も減
ルンルン気分で夕食となりました。ディールームで食事がくるのを待っていした
なじみのおばさんが”ぐっさん、患者さんでキャンセルが出ましたが食べますか”いっ
て1食そのまま置いていってくれました。あたしゃ、天にも昇る気持ちでたべ始め
した。最初のうちは夢中で口に放り込んでいましたが、そのうち目の奥が痒くなって
ました。目の周りを掻きながら食べることはやめませんでした。そのうち手のひらが
なって痒くなってきました。おばさんが気をきかせて酒でもいれてくれたのかな、


と思いながら食べ続けましたが、なんだか顔がほてってきて腫れてきたような気がし
ました。あわてて鏡の前に立ちましたら、手術直後のような顔立ちに変身していま
した。目真っ赤に充血しています。でも意地汚い私は最後まで食べてしまわな
いと勿体無し、好意をくれた、おばさんにわるいという気持ちが交錯して平らげ
て詰め所に行きました。私の様相をみた看護士さんが総立ちになって、”ここじゃ
なく診察室に行きましょう!”と抱えるように連行されました。当直医がカメラの透
視でチェックしました。段々息苦しくなってきました。”のどが腫れあがって息が厳し


い状態です、すぐ点滴と口から噴霧器を使っての薬剤投与しましょう”といわれ、
しばらくして担当医が駆けつけてきて”ああ、これは食事の魚がアレルギー反応を
起こしたんだ”といました。滅多にこんなケースはないそうで詰め所にいた、ひと
は心配と好奇心を差しながら「アレルギーショー」を傍観していました。担当医
はニコリともしない”最悪、のどに穴を開けないといけないかも”と呟くのを聞いて
あたしゃ、”うんにゃもうよくなりました”と叫ぶようにいいました。1時間ぐらい経って
気分も収まり病室に戻って酸素吸入器の伴走をうけながら一夜を過ごしました。


おかげさまで蕁麻疹や痒み、外見上の腫れは引いておりましたので、いたずら好
きな神さまの思し召しでもあったと思い”先生、私は抗がん剤が原因だと思います
抗がん剤の投与はやめにして放射線治療は、継続ということでお考えいただけな
いでしょうか”と猫なで声でいいましたら”昨夜は下手すりゃ喉に穴を開けなきゃな
らないアクシデントだったんですよ。でも、あなたがそこまで決断しての発言なら抗
がん剤の投与はしばらく様子をみながら放射線の治療だけをすすめましょう”という
ことになり翌朝、放射線科に駆け込んで昨夜の事情を話しましたら”ウチではその


ような副作用の事例はありません”ということでありましたので予定の時間に放射線
科に出頭しましたら、何事もなかったかのように”はい、でははじめましょう”といって
2日目も数分で終了しました。で、”先生あたのような悪行を重ねた男は昨夜
ように後遺症もひどかでしょうね”と駄洒落を飛したら”いえ放射線とひとの善
悪には関係ありませんよ、よほどのひとじゃないとね”といってニヤッとしました。昨日
のプールの件といい、味のある先生と毎日会える楽しができました。放射線の
治療と聞いたら、背筋が伸びてしまうような緊張する医療器を扱う先生にしては
緊張を解きほぐしてくれる粋な先生だと思いました。さあ、放射線治療のはじまり
はじまり。





       
           くそまじめな担当医 ゆったり応対する放射線科の技師
                    どちらも大切な 私の命綱 ぐっさんハイ