聞き出しの達人である阿川佐和子の「サワコの朝」という番組に香山リカと
いう女性が出演していました。バラエティー番組にも出ていましたが、その
番組では30過ぎかと思っていましたら52歳にもなるんですねえ。ファッシ
ョンめがねをした、おばさん風に驚きました。彼女の職業は精神科医だそ
うで病院を訪れる現代の若者について話が弾んでいました。では早速、
おしゃべりに耳を傾けることにいたしましょう。佐川:香山さんは精神科医
として若者と接してありますが、なにか特徴的なことがありますか。香山:

今の若いひとの37%のひとは出世したくないと考えています。佐川:社長
にはなりたくない、偉くなって責任が重くなる、肩書きなんてあまり考えない
んですね。香山:そうなんです。それよりも楽に生きていこうとする意識が
高いようです。佐川:昔は精神科なんてとんでもハップンみたいなところが
あったんですがねえ。香山:今はツイッターでみた、私もウツかな、みない
なノリでくる子が多いですね。引き篭もりも多くなっています。これはヒトとの
付き合いがまずくなった、もうこの世の終わりだ、みたいな感覚に陥る子が

いるんです。大した付き合いがないのにケータイに10分以上も返事が来な
いと不安になるという現象も起こっています。佐川:昔は恋文を送って1週間
でも1ヶ月でも待ち続けながら、夢を描いていましたよね。郵便屋さんが送る
のを忘れたとか相手は忙しいのだ、そのうち決っと来る、なんて夢がありまし
たものね。香山:若いひとに100万円の宝くじが当たったらどうする?って
アンケートをとったら断然、貯金するというひとが圧倒的だったという事例も
ありますよ。夢というか欲が小さくなってきています。佐川:昔だったら海外

旅行に行っちゃうとか餡蜜を100杯食べてしまうとか日頃、やりたいと思っ
たことを、思わぬ収入で夢を果たそうとしたんですがねえ。香山:これは先
々どうなるかわからないという漠然とした不安が背景にあるからだと思いま
す。しかし、昔と違って今の若者はしっかりして優秀ですよ。佐川:それから
最近は若いひとの間に車を買わないというひとがふえているようですね。私
たちのときは、ハンドルを握って高原かなんかを吹っ飛ばしてみたいという
欲望からトイレなしの4畳半に住みながらポルセかなんかの高級車を乗り

回したいという願望がありましたけどね。香山:コスパを考えるんです。つま
りコストパフォーマンスに頭がいくんです。車を買えば駐車場が必要だ、そ
の他の維持費だってバカにならない。そんな計算が働くんです。それから
恋愛だってコスパを考える時代ですよ。あくせく働かず結婚して主婦になろ
うと考える女性も多くなりました。佐川:そうなんだ。男性だって一人暮らしじ
ゃなく家に帰れば温かい食事にありつけて洗濯物も毎日取り替えられるし。
こんな調子で話が弾んでいました。佐和子さん、あなたも随分とお年を召し
ましたな。だってイチイチいうことが、おいらと一緒なんだもん。
     
       我々の時代は、25、6になると所帯をもつのが当たり前
       と思われた時代でした  時代の標準規格 ぐっさんハイ