手術をうける前日でした。小太りのおじさんがデールームでテレビをみてあ
りました。どこか晴れやかな表情に引き込まれて”失礼ですが、どこか悪い
ところがおありですか?”と愚問を発しました。するとその方は”ワタシ ゼツ
ガン(舌ガン)デシタ マモナク タイイン デス”と舌がよくまめらないような
口調で話してくれました。ジッとその方の話を伺っていましたら、次のような
内容でした。”歯科に行って入れ歯をつくろうとしたら歯医者が”あんた、舌
がおかしかよ、どこかで診てもらったら、というすすめから近くの病院で診て
もらったら舌に腫瘍がある、といわれここへ来たらすぐ手術となった。舌の
半分が切断され、腿の筋肉を移植してもらった(とズボンをたくし上げて切
り取った痕をみせられました)。驚いたことに足の神経をひとつひとつ舌の
神経に縫い合わせて、時間がたったら神経がつながるという話に、現代医
学の進歩をみた思いでした。術後の治療は放射線と抗がん剤の投与を3ヶ
月続けたそうですが大きな脱毛も虚脱感も体感することなく見た目にはどこ
が悪いのか判別がつかないぐらいのお元気さでした。たまたま退院の日に
出迎えのファミリーに囲まれた、その方と鉢合わせになり、”あんたも大丈
夫、元気に帰れるよ”といわれれた80歳の先輩がやけに大きくみえました
奥さんが”もうすこし(病院に)はいっとりゃよかったとに”と愚痴ってあったの
にはニヤッとしてしまいました。さて、運のいい方のお話はこのくらいにして
さきほど退院されていった侍のあとに入院された方なんですが、術後神経
に障ったのか右目が開いたままの状態で目が乾いたり、風呂にはいってシ
ャンプーが目にしみるなどの後遺症を抱えた方が入室してみえました。実は
私も術後、右手があがらなくなったり右の唇が締らなくなったりすることがあ
る可能性があるが異存がないかという同意書を求められましたが随所で同
意書の連続でした。まあ、なんでも訴訟という時代ですから病院側としても
予防措置をとらざるを得ない時代なんでしょうかねえ。で、術後、すぐ手足が
動くか確認して鏡をみて口も今までと変わらない状態をみて快々を叫びまし
た。考えてみたら首の周りには神経や筋が張り巡らされており、一歩間違え
ればトラブッてしまう、そんな精密機械みないなものなんですね。人間に限ら
ず生物というものは。そんな普段考えもしないことを意識させられる日々で
あります。
オンナにモテない、ツキがない、、なんてそんな贅沢な
ことを いわないでくださいな ぐっさんハイ