我々の苦手というか、思い違いの中でユーモアーぐらい誤解をされている
言葉はないと思います。私が海外を散策しているうちに思い知らされたこと
の中にレディーファーストとユーモアーがあります。私がチョンの間、出かけ
たイギリスでこんな逸話がありました。「先日、スコットランドの大学にいる
息子から電話があった。12月の当地は朝10時に陽が出て、昼の3時に
は沈んでしまうといった。みぞれや雪が降っていなければ、この5時間の間
に外を歩いたりジョギングをするという。さぞ気が塞いでいるかと思っていた
ら、そうでもなさそうだった。先日の教室で、ある教授が胸を張って次のよう
に語ったらしい。”スコットランドには古い大学が四つある。エディンバラ、グ
ラスゴー、セント・アンドリュース、アバディーンだ。一方、イングランドには二
つしかない”。学生たちは大爆笑したという。イングランドの二つとは無論、
ケンブリッジとオックスフォードという超一流だからだ。これは威張ったように
みせて実は自分を笑い飛ばすというイギリスユーモアーのいち典型である。
シェークスピアだってユーモアーだらけだ。悲劇にさえちりばばめられている
シェイクスピア劇場に初めて行ったとき、古い英語でよく聞き取れなかったが
始から終わりまで一分に一度ぐらいで観客が笑っていたから、びっくりした。
家に帰ってからテキストを読んでみると確かにウェットや皮肉に富んだもの
から掛詩や語呂あわせにいたるまでユーモアーだらけだった。暗い冬は、ユ
ーモアーで乗り切るのだ。ケンブリッジにいるとき同僚のある数学者に”英国
紳士であるための最重要件は何か”と聞いた。彼はすこし考えてから”ユー
モアーだ”と断言した。出自、マナー、教養、気品などかと思っていた私は意
表をつかれた。数学では天才的だが、歩いて歩調が合わなくなるのか時々
スキップするという男だったから、他の人々にも確かめようと思った私は、
それ以降、一定の地位のある学者、政治家、経済人など30名ほどの英国
紳士にこの話をし意見を聞いてみた。皆が異口同音に賛意を表した。ユー
モアーがないとどんな、地位や経歴や財産があっても紳士とみなされないと
いう。一定レベル以上の人々には、まともな相手とみなされないということだ。
程度の差があれ、広く欧米でそうだから、政治家や外交官に限らず欧米人
と折衝にあたるひとはユーモアーを心掛けることだ」(「国家の品格」著者
藤原正彦 数学者)。ジパングのジャーナリストがキッシンジャーにインタビ
ューしたときにユーモアーをひとつもいれずにクソ真面目な質問ばかりをし
たら10分もたたないうちにキッシンジャーの表情に当惑、不快そうしてつい
には敵意まで表れて、とうとう本音を聞きだすことに失敗したというエピソー
ドもあるぐらい、ひとの心をソフトにさせコミニュケーションギャップを氷解さ
せるんだそうですよ。あたしなんかもう手遅れですが、、イイ気分にさせると
晩のおかずが一品ふえると思っています。
小話:落語家は入門したてのころは師匠の家で修行に励みます。4、5年
たって、やっとアルバイトで小遣いを稼げるようになり、結婚式に司会業
なんかで稼がせていただきます。式場にもお抱えの司会者がいますが割
と評判がいいのか私どもをご指名いただきます。その証拠に次の司会も
リクエストされることがございます。お後がよろしいようで ぐっさんハイ