もう絶滅したかと思われた「亭主関白」がいましたよ。朝ドラの「梅ちゃん先生
」に、、。そうなんです、梅子先生(梅子(堀北真希))のお父さん(建造(高橋
克実))なんです。”ふろ、めし、ねる”の三種の言葉で家族を支配する貴重な
昭和の遺産的な存在の父親なんです。家族を影で支えているお母さん(芳子
(南果歩))がフト、自分の存在に不安や疑問を感じて家を出ます。家を出て
家族は大騒ぎになります。しかし父親はそんな妻を怒り非難します。親父は
大きな病院の医師で、ひとに頭をさげるのが大の苦手の典型的な暴君タイプ

ですから、奥さんに頭をさげたり感謝の言葉を投げかけるなんて至難のワザ
なんです。お母さんは嫁いで行った、娘(松子(ミムラ))のところで孫の世話
などで紛らわせていたのですがソロソロ家のことが気になって帰ろうとします
しかし梅子は、このまま帰ったのでは、なんにも変わらないと一計を思案しま
す。梅子は母親が家を出てからは食事をはじめ家事一切を診療所のメーン
の仕事は勿論すべてを賄わねばならず、てんてこ舞いの状態になってはじめ
てお母さんの存在価値をいやというほど実感します。お父さんも口には出し

ませんが妻のありがた味を感じはじめてきました。そんなとき梅子の合図で
家に帰ってきます。親父は、すきっ腹を抱えて庭に出て箒を持ちながらぼん
やり立っています。そこへ妻の”只今!”という声がします。妻は縁側に座っ
て”只今、帰りました。勝手をして申し訳ありませんでした”と三つ指をつきな
がら詫びます。縁側には俳句の会の募集の申込書が置いてありました。まさ
に昭和の麗しい光景です。妻の顔をみて怒るかと思いきや横を向きながら、
いつものしかめっ面で”オイ!梅子の下手な料理はもういい出て行くな頼む”

といいます。いつものペースに戻り、自分の居場所を実感した妻の、お母さ
んの心尽くしの手料理をおいしい、おいしいといってパクついています。祖母
(正枝(賠償美津子))は”建造さんもなにかいったら”と意地悪く質します。
建造は”梅子よりましだ”と相変わらず、強がりをいいます。主人公の堀北は
映画でも昭和のヒロインを演じきっていましたが旦那役の信郎(松坂桃李)も
いい役者ですね。カミサンなんか、うっとりした顔でみています。それに隣りの
旋盤工場を営む職人で信郎の親父役の安岡幸吉(片岡鶴太郎)も昭和の、

頑固親父を見事に演じていますねえ。奥さん役の和子(大島蓉子)も、どこに
でもいた面倒見のいい、おかみさん役も見事にハマッていました。ちょっと、
ヤクザな夢を追い続ける立花陽造(鶴見辰吾)も堅物で頑固な兄貴と対照的
な軽さを演出してドラマに彩りを放っていました。飛び入りのように、登場した
ミュージシャンの世良正則も柄にもないような医者の役で”医者は患者に寄り
添うだけのものだ”と梅子先生の誕生のきっかけになった重要な役回りを演
じていましたね。前作の「カーネーション」も好評でしたが、この「梅ちゃん先生
」も絶滅危惧種族の熱演もあって心にしみる作品ですねえ。
    
    「全国亭主関白協会(全亭協)」推薦ドラマ「梅ちゃん先生」
                 「ふろ めし ねる」保存会 会員 ぐっさんハイ