ロンドンの世界大会といっても社交ダンスの話なんです。今日は今世での
銭の使い道についてのお話です。最近は大胆にも、ひとりで社交ダンスの
場所にくりだすことがあります。とはいっても中々、踊ってはもらえるレベル
ではありません。ある日、あこがれの追っかけさんが黒山とまではいきませ
んが、大勢のひとに囲まれていました。なんだろうと思って近寄っていきまし
たら、横文字のパンフレットを手にしたおばさん風の女性と立ち話をしてい
ました。そのおばさん風の女性は、かなりのレベルの踊り手で、なんでも、

月イチで東京まで名高い先生のレッスンを受けにいっているという話なんで
す。そのおばさん風の女性は名高い先生がロンドンの世界大会に出場する
のに応援のため年に1度渡英するという浮世離れした話題の持ち主なんだ
そうです。で、そのロンドンでの競技会の模様を面白おかしく話をしていたと
ころに割り込んだというわけなんです。何度も、おばさん風と強調したのは中
州のクラブか小料理屋のママだという割にはスッピンで、地味な装いで現れ
るところからフツーのおばさんにしかみえないんです。数日経ったある日また

会場に現れました。好奇心満載の私は、その女性に近付いて下世話な話を
聞くことにしました。”あのお、此間の話ですがロンドンまで飛行機賃は高い
とでしょうね、どれくらい掛かるとですか”と愚問を発しましたら、冷ややかな
目をしながら”エコノミーだったら、だれでも行けますよ”とカウンターパンチ
を食らいました。そうして”私はファーストクラスで、いつも行きますがね、もう
5、6回行ったかしら”とボディに強烈なパンチを見舞われてしまいました。
見舞われついでに”ワァー!ファーストクラスで、、いくら掛かるとですか”と

訊きましたら”正規の料金で250万、、私は230万で行くとですがね”と当
たり前のような顔で答えが返ってきました。そうして”あたしね一度でいいか
らファーストクラスに乗ってみたかったの、そうしてどんなひとが座っている
のかみてみたかったけど、誰も乗ってなかったわ、私ひとりだった”というじ
ゃないですか。蹴飛ばしたい気持ちを抑えながら”で、ロンドンでの滞在費
なんかはどうなんです”と恥の上塗りの愚問を投げかけましたら”そうね100
万も使ったかしら”だって。もうこの辺になると田舎者丸出しの雰囲気です。

東京の先生の先生がロンドン大会の常連だそうで、その絆で日本に遠征す
るときにはケータイにメールがはいると自慢していました。”あのねえ、私もう
年だし親も亡くなったし、兄弟にもそれ相応に、何がしかのモノは渡したし、
あとは自分が好きに使おうと思ってそんなバカをやってるんです”と飲み屋
の女将の顔が覗いておりました。帰ってカミサンに話をしましたら、”フン、
そんなのウソよ”と断定していました。それにしても飲み屋のママってそんな
に儲かるんでしょうかね。鼻の下を伸ばして通わされる殿方、諸兄ぼったく
られないようご用心、ご用心。
    
      信じてはいけない 舌の厚味でしょ 木嶋容疑者 ぐっさんハイ