私は眠りを誘うようにイヤーフォーンを耳にしながらやすみます。おしっこが
したくなって目がさめてしまいました。耳にしたのはニュースの時間の終わり
のほうでした。トイレに行こうとしたら、アナウンサーが”お待たせしました、こ
れからリクエストの多かった20世紀最大のエンタテーナーのひとり「フランク
シナトラ」特集をお届けします”とコールしていました。あたしゃ、おしっこに行
くのを我慢してボリュームをあげました。軽快な音楽とともに聞きなれたシナ
トラの唄が流れました。そうしましたら数秒後に”OO地方で地震が発生しま
した、詳しいことは後ほどお知らせします”といって、「深夜便」の司会者に代
わりました。で、”失礼しました最初からお届けします”といって、また軽快な
音楽が流れました。すると、また”OO、震度5.0、OO震度4.7”と発生した
地方と震度をアナウンスしていました。そのあと、また”失礼しました、では
また最初からお届けいたします”といってシナトラの唄に、はいったとたん、
”OO、震度5.0、OO震度4.7”と乾いた声がしました。で、どうなるかと息
を凝らして聞き入っていましたら”失礼しました。折角ですからもう一度最初
からかけ直すことにいたしましょう”と粋な計らいでシナトラの唄がスタートし
ました。また乾いた声がしないのか唄の雰囲気よりもそれが気になって1曲
目はアッという間に終わってしまいました。確か「ナイト&デイ」だったと思い
ます。三度目のなんとか、じゃありませんが、その後は順調にシナトラのなん
ともいえない美声が私の耳をくすぐります。いいですなあ。男の私がうっとり
するぐらいですから女性が聞いたら、それは天にも昇るような気分にさせら
れるんでしょうね。その証拠にエバーガードナーなど天下の美女など4人の
美形と所帯をもって、その妬みからか長男坊が誘拐されて当時のお金で、
240万ドルを要求されたものの2日後に解放されたことがあったそうですな。
今と違って1ドルが300円の時代ですから、そりゃあ大金ですな。Jrも、おと
うみたいに歌手にはなったんですが鳴かず飛ばずでおわりましたとさ。何曲
目かに「上流社会」のテーマソングを歌っていました。同業者のF・ステアー
やルイ・アームストロングそれに世紀の美女と謳われて博打の国「モナコ」の
王妃になる直前の、つまり女優としては最後の作品となったG・ケリーも共演
していましたね。共演といえば当時の人気女優は競ってシナトラと共演する
のがステータスみたいで寅さんシリーズのマドンナみたいでしたな。私が大好
きなK・ノバークやおしっこをするのを想像するだけで自己嫌悪に襲われる
ような気高い女優さんだったデボラ・カーなんか痺れっ放しでした。第26回
アメリカアカデミー賞最優秀作品「地上より永遠に」の助演男優賞に輝いた
ときはたんなる歌い手から俳優としても才能を発揮した記念すべき映画でし
た。「オーシャンと十一人の仲間」ではサミー・デイヴィスJr、ディーン・マーテ
ィンなどシナトラ一家といわれる不良っぽい仲間と共演していましたね。あら
また脱線のしっぱなしになってしまいましたが、ラストナンバー「オール・ザ・
ウェイ」が終わるや否やトイレに駆け込んで、つや消しな幕切れになってし
まいましたが、今の時代、働かないくせに一人前の幸せを求めるギリシャ。
99vs1など夢を否定するプラカードで一杯の現代。それにくらべ「フランク・
シナトラ」が君臨していたころのアメリカは憧れのアメリカ、リッチで強いアメ
リカ、アメリカンドリームが体感できる夢の国として光り輝いていましたね。
またシナトラと逢えますように(パチパチ)。
             焦がさないように オトコを裏おもて  ぐっさんハイ