「五体不満足」といえば、五体満足の私なんか下を向いてしまうほど活発な
活動をなさっている乙武洋匡さんを思い出してしまいます。乙武さんといえば
先天性四肢切断(生まれつき両腕両脚がない)という障害があり、移動の際
には電動車椅子を使用する。つまり、常にひとの手を借りながら動かねばな
らない不自由な身体なんですが、強靭な精神力で大学にも進学、在学中、
自身の経験をユーモラスに綴った『五体不満足』(講談社)が多くの人々の
共感を呼び500万部を超す大ベストセラーに。’99年3月からの1年間、テ
レビ局のサブキャスターを務め、いじめ問題やバリアフリーについて取材、
レポートした。大学卒業後は、「スポーツの素晴らしさを伝える仕事がしたい
」との想いから、『Number』連載を皮切りに執筆活動を開始。スポーツライタ
ーとして、シドニー五輪やアテネ五輪、またサッカー日韓共催W杯など数々
の大会を現地で取材。特にスポーツ選手の人物を深く掘り下げる眼に定評
がある。’05年4月からは、東京都新宿区教育委員会の非常勤職員とし
て教育活動をスタートさせる傍ら、明星大学の通信課程に学び’07年2月
に小学校教諭二種免許状を取得。同年4月から’10年3月まで杉並区立
杉並第四小学校教諭として勤務し、3・4年生を担任した。’11年4月から
は、ナチュラルスマイルジャパン株式会社・取締役として、「まちの保育園
小竹向原」の運営に携わる。如何です。健常者のあたしが、めまいを起こす
ような活躍ぶりですが、その乙武氏も被災地を訪問して「元気」や「勇気」を
被災地の方々に出前をされています。そのイベントの中でも圧巻だったの
は野球の始球式だったそうです。グランドに自ら立って”東北地方の皆さん
心を込めて投げさせていただきます!”と大声で宣言。左手でのストライク
投球で思いを示し、大きな拍手を浴びたそうです。実はこのくだりを、例の
「深夜便」で聞いていたのですが、質問者が”両腕がないのにどうしてボール
を投げることが出来たのですか”と不躾な質問をしていました。そういう私も
興味がありましたので耳をそばだてていたのですが、乙武さんは”ちょっと
口では説明できないんですが、肩と首の間にボールを挟んで全身を(といっ
ても半身ですが)思い切り反り返って、その反動で投げるというかボールを
放すのです”と秘訣を語ってありました。それから被災地でどんな活動をした
のか質問者が聞きましたら”私はひとりで動けませんのでモノを運ぶとか、
あと片付けなどはできませんから以前、小学校で教鞭をとっていましたので
臨時の授業を行うという形で、こどもたちとふれあうことで少しでも勇気とか
元気を与えられたら、という思いで参加しました”とこたえてありました。上半
身だけで電動椅子での姿をみてびっくりしているこどもたちをまえに”障害は
不便です。しかし、不幸ではありません!と言い切る、屈託のない個性と明る
さでメッセージを伝えた乙武さんをみたら、五体満足の先生や父兄が下を向
いてしまうような迫力だったことでしょうね。
五体満足のくせに なんでも”オーイ!”と
助けを求める ぐっさんハイ