過日、過信の技術陣を襲った中国高速鉄道事故は温家宝首相の尽力で
なんとなく収拾というか、、いや無理やり騒動に蓋をしてしまった感があり
ますが、中国では首相というポストは大変な激務のようですね。ご覧になっ
た方も多いと思いますが4回シリーズで「周 恩来(ヂョウ・オンライ)」の特集
をNHKが放映していました。毛沢東という功罪の多かった巨人に仕え中華
人民共和国が建国された1949年10月1日以来、死去するまで一貫して
政務院総理・国務院総理(首相)を務め、毛沢東の信任を繋ぎとめ、文化
大革命中も失脚しなかったことなどから、「不倒翁」(起き上がり小法師)の
異名があり、1972年に、日本国首相の田中角栄(当時)と日中共同声明
に調印したことでも知られています。放映された内容は肉親とか側近の話
ですから、すこし誇張した部分もあると思いますが、”あんた(首相を)やる?
”といわれたら激しく首を横にふりたくなるようなものでした。滅私奉公とは、
この方のことをいうのではないかと思うぐらい24時間、毛沢東に仕えたん
ですねえ。睡眠薬を常用しないと眠れないぐらい自分を酷使しながら、例え
夜中であろうと毛沢東に呼び出されると駆けつけるという生活だったそう
ですよ。毛沢東という御仁は大局的に判断する能力に長けていたようです
があの権謀渦巻く中枢の中、服務室のドアが開いているときは滅多なこと
は口にしなかったというぐらいストレスの宝庫だったようですな。此間、BS
でやっていた「蒼穹の昴(田中裕子主演)」を観れば頷けるような納得という
すざましさだったようです。中国の進路を逆行させたような「文化大革命」の
最中、国中が狂ったように伝統ある中国文化や秩序を粉々にしようとした、
紅衛兵とそのリーダー江青らと巧みに対峙しながら、冷静に国の舵取りを
担ったんですなあ。そんな嵐の最中に敵国アメリカやそれに追随する日本
と国交を樹立させたんです。田中角栄の私生活まで調べ上げて佐渡おけさ
などをBGMに演奏させたり、そりゃあ、日本側がびっくりするような演出を
指揮したそうですよ。何度みても田中角栄と周恩来の国交回復の調印式
での固い握手を交わすシーンは圧巻ですな。目の輝きがすごかったですな
気合のこもった眼光でした。今の賞味期限を気にしなければならない後輩
たちとはダンチの感がありますなあ。余談になりますが私が南方で華僑と
組んで仕事をしたときに”ぐっさん、今度、出張してくるOOは酒はなにが
好きか、カラオケはどんな曲を歌うのか”などと(ちょっと、まだなにか調べる
ことがあったんでしょ)。微にいり細にいり教えろというのを思い出しましたが
もてなすとなればトコトンやるという中国式が頭を掠めました。そういう激務
を強いられた周 恩来は重い病に襲われてしまいます。それを押して国難を
回避していくんです。現在の経済、軍事の超大国に押し上げた鄧小平を例
の4人組から命がけで守った御仁でもあるんですね。歴史の本には日本に
留学して日本流を体得したなんて書いたものもありますが、あたしにいわせ
たら周 恩来というお方は中国人でありながら、一番中国人の弱点というか
泣き所を熟知していた方ではないかという気がしてなりません。つまり大体
とか大言壮語みたいな表現を嫌い、ウソをつく部下は信用されなかったと
いいますが、南方に出稼ぎに行ったときの前任者が人柄がすばらしい方で、
”ぐっさん日本人として恥ずかしくない態度をとるように心がけてください”と
いう引継ぎの言葉がなつかしく思い出されます。
今こそ日本にも「周 恩来」のような偉人の出現が待たれます
一番、中国人らしい ぐっさんハイ