呉服屋さんのお話し会とは~ 7代目が着物講座を続けてきた理由【再掲】 | 大賀屋呉服店7代目「いいきものがかり日記」

大賀屋呉服店7代目「いいきものがかり日記」

創業220年目を迎える岡崎市の呉服店7代目。新聞記者(企業取材)➡コンサルファーム➡着物屋で現在。スポニチ、中日新聞,地元ラジオ局など掲載歴多数、各種講演も実施中。主に岡崎市内の出来事や日本文化、老舗経営や映画について書いてます。趣味は映画鑑賞、読書、将棋

 

おはようございます。岡崎のきもの語り人おおがや7代目です。

最近呉服屋さんおお話し会に関する問い合わせが増えてきました。ありがたいことです。

 

 

次回1月30日の呉服屋さんお話し会イベントページ

https://www.facebook.com/events/424273335121779/

 

そこで今回は以前書いたものを加筆して再掲しました。なぜお話し会を開催したのか。
少し長いですがお読みいただければ幸いです。
 

おおがやでは2017年春から、2か月に1回程度のペースで「呉服屋さんのお話し会」なる文化講座を開催しています。
これは着物文化に親しみを持っていただくことを目的に、おおがや7代目が語り部となって
岡崎市内のカフェやレストラン、文化施設などで行う講座の総称です。
ひとりでまちゼミやっていると思っていただければ大体あってます。笑
これまでに
「伝統色とパーソナルカラー」
「西陣織ができるまで~職人の段取り術~」
「知っておきたい初心者のための着物の基礎」
「いまさら聞けない着物の基礎用語」
「家紋の世界」
「着物のお手入れ方法」
「ヘアメイク」
などさまざまなテーマで講座を行ってきました。
また落語会や歌舞伎観劇などの演芸鑑賞やゆかたでお酒を飲んだりも。

場所も「グローバススタディーズカフェ」
「和ごころろじもん」
「一隆堂喫茶室」
「8830スタンド」
「おそと」
「旭軒元直」
「重の家」
「しょうやの杜」
など多彩。
康生のカフェや飲食店が多いのですが、ときに郊外にも出かけます。
 
その季節やテーマにふさわしいお菓子を選び、ジャズやクラシック音楽などを聴きながら、地域のレストラン、カフェで気の合った仲間に声をかけてのひと時。
開催のコンセプトは『 むつかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいいことをおもしろく,おもしろいことをまじめに,まじめなことをゆかいに,ゆかいなことはいっそうゆかいに 』 。
 
着物はむつかしい。でもそれをやさしい言葉で説明できたら、深い言葉で、愉快なことばでお伝えしたら、もっと興味をもってもらえるのではないか。そう考えて始めたことです。
正直、運営も企画も大変です。(ほぼ原価でやってますから、儲かるからやるということでもありません。)
でも伝えなければ途絶えてしまう文化が目の前にある。

まず知ってもらわねばという使命感でやってます。
 
呉服屋というのは、一般に敷居が高いものです。

そこを認めるところからこの企画は始まりました。
 
無料と聞いていったのにただの即売会だった( ;∀;)、
望んでいないのに強引に試着を勧められた( ;∀;)
食事会という名目でいったら、ほしくもない訪問着を見せる会だった( ;∀;)。

よく聞く話です
 
こんなことを続けていてこの業界に未来はあるのだろうか?
そんな疑問を感じたのが発端です。
呉服屋と名乗るだけで「着ませんから」といわれるほど、警戒された経験も多々ありました。
私は37までサラリーマンでした。最初は新聞記者でいろいろな業種を見ていくうちに、
呉服屋の従来の販売方法というのが、世間からはあまりいい印象を持たれていないことを肌で感じていました。

自分の祖父母や両親を幼いころから見てきて、強引に進めても一時的には良くても長期的には続かないこと、大切なのは信用と長期の関係性ということを教えられてきました。
 
大賀屋では一切強引な勧誘をしたりする手法とは一線を画してきたはずなのに、
一般的にはこういうイメージなのかと時にショックを受けたりもしました。

バブルははじけ、社会情勢は変わったはずなのに、呉服業界の慣習はあまりかわってない。
京都や金沢、ときに海外などに連れていき訪問着や振袖など高価な着物を見せる。そのため、着物が非日常化して、気軽に楽しみたいという人を遠ざける結果になった。

着物には1300年にわたる歴史があるのに、その意味や心が伝わらずに売らんかなの商法ばかりが目に付くようになった。興味あっても話聞きたいだけなのに買わないとその話が聞けない状況を、小売り、問屋、メーカーたち自ら作り出していないだろうか。
まずはきもの文化のすばらしさ、日本人の心、文化性みたいなものを伝える必要があると考えました。
やはり数十万円、数百万円の買い物をする一部のお客さまにしか、呉服屋が有する見識や美意識を伝える機会がないのであれば、それはそれで不健全というか、社会的損失だろうと。まずは着物に興味をもってもらい必要がある。これがすべての出発点。
 
まずは岡崎まちゼミに参加させていただいたことから、始まりました。まちゼミは年2回。一方伝えたい内容はたくさんあり、ならば自分で企画したほうが、講座の内容をよくできると考え、いまに至ります。
 
私は呉服屋になる前の4年半。経営コンサルティングファームで講師の仕事をしてました。

当時の手帳を見て数えてみたら年100~150日くらいの講座をこなしていた計算になります。
半日話して10~20万円という高額な講師料をいただくコンサル会社。
 
その金額に見合った品質を提供するプレッシャーと日々戦いながら、慣れない講師業を4年半続けました。
 
あまりの激務、ストレスで体調を壊し、不眠や脱毛症に悩まされたり。毎日起こられながらなんとか続けました。毎日いやで仕方なかったことが今こうして役に立っている。

その経験が今の講座に生かされています。

人前で話すことが苦手なので、書くことを覚え新聞記者になったのに転職したら話す部署に配属になった。
いやで仕方なかったことが今につながっている。人生は不思議ですね。
 
前置きが長くなりましたが、回り道しましたが、最近になりようやく講座の方向性が見えてきました。
赤字にならなければいいという気持ちから、飲食代、会場費、教材費、資料代など程度の参加費で続けてきました。

この路線は続けながらもうすこし、いろいろなテーマ、角度から着物文化を伝えたい。
ということでいろいろな専門家、団体、お店などとのコラボレーションで、講座をお届けしようと考えております
 
知らなかったことをしる。

これ自体、人の心の栄養で、立派なエンターテイメント。
そう信じてもう少し続けていこうと思うのです

 

 
 
 
 
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おおがやは、愛情を着物として後世に伝えていきます。
あなたのそのお気持ちを、私たちにお伝えください。
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「おおがや呉服店はこんなお店、7代目はこんな人」自己紹介
 
創作創業文化元年(1804年)
呉服と和装小物・和雑貨のお店
おおがや(大賀屋呉服店)
電話=0564-22-1249
住所=〒444-0046 愛知県岡崎市連尺通1-4
(名鉄バス「康生町」バス停下車徒歩1分)
営業時間=9:00~19:00 木曜、第3水曜日定休
取扱品目=呉服全般・和装小物・メンテナンス全般(洗い、染め替え、仕立て直し)など
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