高校生の時に師事していた師匠。フルートを教える方ならあたりまえなのかもしれないんですが、エチュードを全部暗譜で吹いてくださるんです。

 私ら簡単な小品でさえ中々覚えられないのですが、10代の少年にとっては驚愕の一言でした。

 フルートを習いはじめた方ならば目にした事のある「ケーラーの簡単な15のエチュード」。
 何が簡単なもんか(笑)
 14番は私の大好きな曲です。師匠が当時これも暗譜で吹かれて好きになったんですが、無伴奏のエチュードが二本になって聴こえるのです。
 フルートの曲にはこういう変奏曲的なのがとても多い。ケーラーが吹ける様になったから上手くなったのでなく、上手くなったからケーラーも吹けるです。

 さて低音をしっかりと鳴らすのはフルート吹きの永遠の課題ですが、これは低音だけの問題でなく、フルートの全ての音域と音色に関わることなんですね。

 昨日とても残響のあるホールで簡単な本番を踏んできました。曲は林光先生編曲の「宵待草変奏曲」など。

 「良い音色」ってどんなのか分からない、フルートを今から始めようかなという方からそういう質問をしていただきました。「私にとっても永遠の課題です。」とごまかす訳にもいかず(笑)

いい音は吹きやすい音ですね。と簡単に言いました。実際そうだと思います。初心者、中級者と段階によって「いい音」の段階も変わります。

 最近得たインスピレーションとしては「エアリード」の状態を意識する事です。ブランネンは高音のEメカが無いので外れやすいんです。でもピーって外れた時、エアリードが壊れたのも分かるようになりました。本当にフルートの練習はイメージとの戦いですね。

 


以前、倚音を探し当ててフレージングするという論文を書いた事がありました。今頃引っ張り出して眺めてみると結構役に立つんです。これが今頃役に立つということは、結構アンブシュアや音が安定した来たのかな?いいぞー!

 様々な音楽表現もまずは上から下までビシッと鳴らないのでは成り立たないというのがフルート練習の辛いところです。

 まあオーボエ奏者がリードがないと練習できないことにも共通してますね。ここからしばらくは「エアリードの安定」が課題になりそうです。ここをクリアすると随分出来る事が増えてきそうです。ああ楽しみ^ ^