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チェロK最後の定期演奏会に県立芸術文化センターKOBELCOホールにて。

  佐渡裕とスーパーキッズオーケストラ、チェロK最後の大きなコンサート、2ヶ日公演で昨日に続き今日が最後の定期演奏会となりました。
 
 高3の6人の仲間で支え合い、監督から労いの花束をもらった2日目。
 
今日のシャコンヌは特に魂が震えました。
 
 佐渡監督の話によると、昨年のバレンタインデーに亡くなられた元コンミス李菜々子さんの為に準備していたという事でした。
 
 天国の菜々子ちゃんにきっと届いた事でしょう。中3コンミスのひなちゃんに沢山の方がもらい泣きされていました。
 
 この子達のように音楽大好きで、練習環境、お師匠さんに恵まれることは大変幸福な事です。
 
 私はこの幸福が子ども達の成長とともにさらに膨らんで次々に人々を幸せにする力となる、そう信じています。
 
 愛情いっぱいに育まれた子どもたちは愛のある大人になりますし。
 
 変な例えですが、心の癒しをくれてるペット達も虐待されて育つと野獣になります。
 
 さて大人になってからの楽器練習は子ども達と違った魅力があります。
 
 私はフルマラソンを40歳で始めて完走しました。でもフルートにその様な筋力は必要ありません。
 若い時には、体力がある事で無駄な筋力が「働いてしまい」結果演奏にとってはマイナス面になる事が少なくありません。
 
 例えば、指の力は限りなくゼロに近い方が良いと思います。いわゆるトリルができる軽さです。
 
 「力を抜いたら楽器を落としちゃう?」というのは楽器を構える役割りを任された箇所が働いていないからです。
 
 音を作る指に楽器を持たせてはいけません。
 
 若いうちは力や勢いで練習するので中々こういった力のバランスにまで気を配る余裕がないものです。
 
 若い人、特に幼少の子ども達に音楽の力をつける為には、良い音楽をたくさん聞かせなければいけません。
 
 演奏は「出力」です。子ども達に出力をどんどんさせる場面をよく見ますが、十分な「入力」なしにコンクールや発表会ばかりやるのはご飯を与えないでスポーツさせる様なものです。
 
 子どもはよく食べてよく眠れば放っておいても「よく遊び」ます。
 
 このplay(遊び)が音楽する欲求になります。部活や様々な音楽活動が「栄養補給」なしに行われがちなのは気のせいでしょうか。
 
 フルートが上達するための条件
 その1 音楽が好きな事
 
 その2 必要な最低限の筋力
 
 その3 豊かに「入力」された音楽的な音楽経験(ソルフェージュ、楽典などの基礎力を含む)
 
 シニアが音楽活動をやろうと思う時点で1、3はクリアしています。しかも2の筋力はかなりの高齢(たぶん生きてる間)でも「最低限」で済みます。
 
実は3の豊かな「音楽経験」が、簡単そうで「入りにくい」
 
 小さなお子さんをクラッシックに誘う、「そんなのに行かない」
 
 と思ったら「トランペット吹いてみたい!」とか言い出したり。
 
 子ども達に必要な食べ物教育、昨今では「食育」とか言いますが、大人の思う様に子どもたちは食べてくれない。
 
 音楽経験も同じです。
 
  シニアはその点、長い年月をかけて培った「大人の経験」があります。
 
 後はちゃんとしたレッスンとちゃんとした練習さえ保証されていればシニアの伸びは子どもたちに負けるはずがありません。
 
 音楽は子ども時代で完成できる様な浅い学問でもないですしね。
 
 スーパーキッズオーケストラの様な「超」な状況はそんなにありえません。
 
 最後にシニアがキッズ達にどうしても敵わないもの。特に厳しいオーディションで選ばれたこの子達の演奏からほとばしる魂の音楽がどこから来るのか。
 
  この年代の子どもたちだけが出せる煌めきの音。
 
 それは「分からない」こと。「未知」であること。未知は怖さであり、希望です。経験だけで先が読めてしまうと言うのは、勘違いであり、推進力を衰えさせます。
 
 そこは逆に子ども達から学ばなければならない。実は限界だな、と思っている事の多くは歳をとってからでもまだ先がずっとあるのだと、そう確信しています。