「天国と地獄」歯科衛生士さんに、優しく対応してもらった後に、歯を削られた、という話ではありません(笑)

  私は、練習の成果や課題について「借金」とか「貯金」などの言葉を使わせてもらっています。「貯金」は一言で言うと、「無意識にできるようになった事」です。貯金があると、オケや吹奏楽の大音量の中で演奏しても音色もピッチも崩れません。何しろ無意識ですから、指揮者の棒に集中する事ができます。

  昨日久しぶりに7Kmほど、ジョギングしてきました。久しぶりなので、体は重たかったですが、やっぱり汗をかくと気持ちいいです。さてフルートもジョギングもサボるとどうなるでしょうか。貯金がなくなります。でもそれは、それほど怖い事ではありません。また時間をかけて「貯金」をすれはいい事ですから。本当に気を付けるべきは「借金」です。「間違った練習」「悪い癖」というのは、実際にあります。しかも何年か癖のついた状態で演奏していると、下手に楽器の鳴らし方を知っている事が、上達の障害になったりします。私の中で、この「悪い癖」から戻れなくなった状態を「借金」としました。私は、悪い癖のままフルートの練習を続けて、できる事の範囲が狭くなり、練習をやめたくなった経験があります。いくらいい先生に師事していても本人が「これでいい」と思い込んでいると「悪い癖」のまま突き進んでしまうのが、楽器の怖いところです。音楽大学に行かせてもらった事が、全く役に立たなかった訳ではありませんが、もっと素直に先生の言われる事を聞いておけば良かったと思う事はたくさんあります。

   何十年も経った今、師匠の様々なアドバイスの言葉を思い出す事がよくあります。そんな今が、地道な勉強のみが本当の「貯金」であると理解できたタイミングだったようです。

   一つだけ救われるのは、片方で「借金」つまり、悪い癖の練習もあり、良い練習もしてきた面もある事です。稼ぎながら、ちょくちょくクレジットカードを使っているようなものですか。概して言えば、ちょっとずつ、貯金が出来ていたとも言えます。

   何事も、努力した事が、成果となって前に進んだのが、実感できる事ほど嬉しい事はありません。貯金が増えると「もっと貯めたい」と私なら思います。現実の銀行口座には借金の方が多いのですが(笑)

 受験の季節のせいか、教材販売などのCMがやたら目につきますが、そんな簡単に学問がお金で買えたりしないと思います。「学問に王道なし」 私は、この言葉が本当に好きです。

    呼吸トレーニング、ヘッドジョイント、ソノリティ、運指の特別練習、音階やアルペジオ、目的のあるエチュード。これらを通して、ソナタや、コンチェルトなどで基礎力を応用力に生かすという、「当たり前」の筋道を通らなければ、貯金が出来ない、フルートの上達に王道なしですね。

   


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