深夜のNHKラジオで音楽評論家の湯川れいこさんが「20年間一緒に暮らした夫とは、別れてから親友になって、その夫の死が本当に辛い。」そして「死んだ弟の写真と毎日話している。」と言ってたけど、そんな寂しい心理の本当の理由は孤独かもしれない。
そして、そんな思いを[愛]と捉えるのは危険な行為かも知れない。
辛い思い出を蘇らせてしまう。
辛い思いに浸らない方が良い。
「メソッド演技法」で検索すると。
メソッド演技の特徴としては、担当する役柄や劇中での状況やその感情に応じて、より自然な形で演技を行う点である。メソッド以前の演劇においては、役者は役作りや演技を行う際は、基本の発声法や仕草、パントマイムなどのテクニックを使用し、感情や役柄の表現を行っていたが、メソッドでは、そうした形式的で表現主義的な古典的な演劇手法と距離を置き、より現実と近い、自然な演技を追求している。そのため、演技をする過程においては、担当する役柄について徹底的なリサーチを行い、劇中で役柄に生じる感情や状況については、自身の経験や役柄がおかれた状況を擬似的に追体験する事によって、演技プランを練っていく。
代表的なメソッド演技としては、映画『波止場』で兄から銃を突きつけられ、なだめようとするマーロン・ブランドや、『エデンの東』で父親に泣きつくジェームズ・ディーンの演技が知られる。
藤谷文子さんが「メソッド演技は悪い記憶を呼び覚ますので危険な手法だ。」と言っていたのを思い出す。
どうやら、メソッド演技法で精神を病んでしまう映画俳優や女優がいるらしく。
やはり湯川れいこさんも、辛い思いを[愛]と考えてしまうと、辛い記憶を呼び寄せて、心を病んでしまう危険な行為かも知れない。
自分も同じような体験があって、一時は何も食べられなくて体重が20㎏も減って死ぬかと思ったけど、藤谷文子さんが「メソッド演技は悪い記憶を呼び覚ますので危険な手法だ。」と言うのを思い出して、そんなふうに考えないことにした経験があったけど、湯川れいこさんにも当てはまるのかも知れない。
辛いのは、亡くなった人への愛というよりも、孤独に耐えられないからで。
だからこそ死を悲しむのは、辛い記憶を呼び覚ますだけの危険な行為でしかない。
町山さんが言ってたけど、アメリカでは黒人の葬儀の行列は楽器で伴奏して、死んだ人を埋めるまでは葬送行進曲を演奏して、帰りは陽気な曲を演奏をする。それがジャズらしい。
黒人は、よほど辛いんだろう。悲しくて、もう耐えられないんだ。
死んだ人を思い出して悲しむのは愛ではなく。
明るく生きるのが愛じゃないの。