あるいは真ん中に座るのが俺 よだん「2.5次元? 最後の晩餐」 | 舞台美術家 松本わかこの秘密基地

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見つかっちゃいました?

メサイアつながりで(無理矢理あせる)過去の作品を少々。

 

名画「最後の晩餐」をコミカルタッチで描きたいという劇団さん。

予算はないけど、最後の晩餐のあの空間を舞台上で再現したい…とのことでした。

 

ならば。あえての平面にしましょうよ、とご提案。

小劇場でこの建物を立体的に再現しても動きに支障が出る。

書割のチープ感が逆にコミカルな脚本にも合ってるし

舞台空間の面白さも出せるかもしれない…と演出家と意見が一致しました。

 

 

これこれ、これです。レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」

 

これに、舞台上で使うパネルの想定サイズを当て込んで見る。

合わない…(当たり前)

まずは絵画の人物とテーブルを消して、絵を描き足す。

センターの開口部と窓を中心に遠近を変更。

作業3日目になって「手で描いたほうが断然早いじゃん」と気づくも続行…ガーン

舞台上での照明効果を想定しながら、明暗の補正をして完成です。

 

この後は大道具会社にバトンタッチ。

いつも緻密な仕事をしてくださるステージファクトリーさんにお願いしました。

 

数日後「出来たから見に来て〜」とご連絡いただき、伺いますと…

 

本当に出来てました!(当たり前)

 

    

 

さすが良い仕事してくれています。図面通りです!

 

「このタペストリーの柄、意味不明ですよね〜笑」と背景さん。

 

そうなのです。

規則性があればコピぺで済んだのですが、そうではなかったので

周りのバランス見ながら絵を描き足していく作業は、少々大変でした。

 

そして、いよいよ劇場へ。

 

仕込み自体はほんとに大したことはありません。

カーペットを敷いて、パネルを建てて、幕を吊る。以上。

 

しかし、この書割パネルのみのシンプルセットに

素敵な照明と素敵なキャストさんが入りますと、こうなります。

 

 

2.5次元「最後の晩餐」の完成ですウインク