押井守監督作品が好きな方はこのお釈迦様のお言葉にピンとくるはずだ
先月末から期間限定で上映を行ったイノセンス4Kリマスター版で劇中別々の2つのシーンでこのお言葉は取り上げられる
前作ゴースト・イン・ザ・シェルでも多少の片鱗はあるが、監督の愛弟子である神山監督がTV版で多用した外部ストレージを検索した内容を台詞として登場キャラに語らせる展開が普通になってしまい、それを踏まえずに劇場版だけを観ると本作で突然公安9課のキャラ達が博学を装うようになっても違和感が少ないのは、哲学的なテーマが大好きな押井監督には好都合だったろう
さて問題のお釈迦様のお言葉の引用だが、実はこの作品のテーマ、人間と人形の境界は?という問いに直結していると Gyoshonin様のブログを読んで教えていただきました
すなわち、人生の悩みから解放されて悟っている存在が「神様」とするなら、犬も子供も、その子が抱く人形も神様と同じなんだそうで、つまりこのラストシーンはそれを示しているのだそう
今回の上映で初見の客も大勢いたと思うが、そんなの一見で分かるわけないじゃん、というか下世話な話をするとプロデューサーを担当したProduction I.Gの石川社長が先日この企画に関連したイベント登壇時に、20年経っても当時の制作費を回収できないとぼやいたそうだが、長年のファンとしてそんな評価も含めてこの作品には難解で深いテーマを扱いつつ最高峰の映像表現に挑んだアニメ映画の金字塔であり続けて欲しいのである
追記
来週末のブログは都合により更新をお休みします
あしからず