昨年映画館で観たあと、2度目以降はアマプラで、時に一時停止や巻き戻しを行って、この「PERFECT DAYS」の台詞、演出を丁寧に確認しながらじっくり腰を据えて観ている

これが実に楽しい

何が楽しいのか?

例えば、これは俺だけではないと信じたいのだが、何でもない行動で、謂わば思考停止状態で体や頭を機能させることが面倒な時がたまにあると思うのだが、そんな時に「平山ならこんな時にどうするだろう」と思い直すとその度に背筋が伸びる感覚になり、ダラダラとすることから容易く脱却できるのである

こんな時、俺は彼に近づいていく気がする、それが楽しいのだ

 

ネタバレしない程度に平山の人物設定を書くと、彼は日々のルーティンを繰り返す中で徹底的な受け身を貫き、偶然訪れる変化を待ち続けている

能動的な行動により状況を意図した方向へ誘導しようという行為は、俺が気が付いた限り、劇中ではただの一度しかない

しかし平山は他人が気づかない些細な変化でさえ、それを感じることを何よりの楽しみにして生きている

 

勿論、社会とのかかわりの中で、今は平山の生き方は非現実的なのだが、いずれ訪れる「社会離れ」への対応として、一つの理想であることに気づかされたのだ