突然なんでまたこのネタなのか?
実は周囲にあまり公言してこなかったが、俺は故 坂本龍一氏のファンであリ、惜しくも今年亡くなった氏の追悼の意味も込めていつか書いてみようと思っていたネタを今回取り扱うことにした
間違いなく音楽に美しさがあることを俺が認識したきっかけは坂本氏の諸作品との出会いであり、賓祖な俺の音楽的素養の底部を構成しているのは彼の音楽から影響を受けたものだと断言できる
ところで、坂本氏がドイツの著名な作曲家 クラウス・オガーマンから多大な影響を受けていたということは本人も公言していたらしいし、検索するとそのネタを扱ったブログが沢山出てくる
今回あらためて調べてみたけど結局判明しなかったことで、坂本氏が昔何かのラジオ放送で確かにオガーマンの音楽をパクってます的なことを言ったのを聞いたことがある
で、その番組で流れたのがオガーマンが編曲で参加したこの曲「Estate」である
丁度その放送のころ坂本氏が制作陣の一人としてサポートしていた大貫妙子さんをよく聴いていて、前述のパクリ発言を聞いて「そうだったのか!」と物凄く腑に落ちた作例の1つが下記「春の嵐」
85年のアルバム「copine」収録で坂本氏がアレンジを担当した曲だが(余談だがこの曲はNYにて録音されており古内東子さんの名盤「Strength」のクレジットに名を連ねるWill LeeやOmar Hakimらが演奏を担当している)、俺的にこの曲もかなりオガーマンの影響を貰ってるという認識なのだ
どなたかの表現を借りると「Estate」同様に映像喚起的なアレンジだし弦楽器のオーケストレーションもかなり寄せているが、ハッとさせられる複雑なコードを、旨さを際立たせる苦みのように適所に巧みに取り入れた結果、切れ味鋭く見事な坂本流に調理していて、この頃の"脂の乗り"と"火加減"は抜群である
勿論当時と現在の音楽事情は違うのだが、40年前の作品だからこその輝きは今も色褪せない
坂本龍一様、謹んでお悔やみ申し上げます。