東子さんのシングル曲にはアルバムアレンジとは違うバージョンとしてリリースされている曲が過去に結構あったりする

それらを何曲か取り上げて、何処がどう違ってるか、あらためて聴き比べて違いの再確認をしてみようと思うのである

 

第1回はこのシングルCDに収録されている2曲である

東子さんが自称"百万回歌っている"、彼女の楽曲で一番認知されている「誰より好きなのに」とそのカップリング「あの日のふたり」の2曲にはこのシングルテイクの他にAlbum Remixバージョンが存在する

このシングルの発売日は1996年5月21日であり、Remixが収録されている同年6月21日発売の名盤アルバム「Hourglass」からのシングルカットではなく、先行リリースという形をとっている

つまりアルバム収録用のミックスダウンの時に手を加えて収録されているということだ

その聴き比べの結果だが、この2作はオーケストレーションをシングル、アルバムで変えていないので、正直かなり細かな分かりづらい微調整を施してある印象だ

※最低限の比較の条件として全く同じシステムで音出ししてみたが、なにせ貧乏耳に聞こえてくる内容を記述したものなので私感たっぷり、その辺はどうぞご考慮いただいきたい

 

2曲ともシングル版とアルバム版で東子さんの多重コーラスのバランスを変えてあるのがわかる

言葉をもっと選ぶとアルバム版は音量が「控え目」なのに対してシングル版はより「厚み」を感じとることができる

「誰より…」について両バージョンの大きな違いとして尺の長さがある(シングル版のアウトロが9小節目で静かにフェードアウトするのに対してアルバム版は16小節目の中西名人のピアノ早引きの音できっちり終わる)のは2者の存在を知る多くのリスナーが認知しているところだろう

この曲のバッキングについて、特に歌詞2番の部分のストリングスはシングル版の方が良く聞こえるが、この曲を知るリスナーの多くにより馴染みがあるのはシングル版の方のバランスかもしれない

また「あの日…」については演奏する楽器についてもバランスを変えてあり、アルバム版の方がそれぞれの楽器の音、特に斎藤誠氏のエレキギターがクリアに聞こえてくる

総じて、2作ともシングル版の方がアルバム版より音の抜けが良い印象を持った

 


 

 

ちなみにSony Musicのサイトにあるyoutube動画の音源はシングルバージョンである