決して多くはないが、一応俺にも親戚付き合いというものがある

コロナ禍でその多くはサスペンデッドな状態だったが、つい昨日そのうちの一つが解禁、久しぶりの顔合わせ機会を得た

遡ること4年前にその家の主が他界してから、昨日初めてのお墓参りをさせてもらった

そこのお子さんたちは全員独立済み、が比較的近所に住んでいるからいつでも会えるのだが、普段は未亡人となった奥様が一人大きな家に住むという状況になった

そこへコロナ禍の猛威が始まったお陰で、社交的な性格の奥様が人付き合いをも制限されて、さぞかしストレスフルな生活を強いられて大変だろうと、この4年間ずっと想像していた

ところが、昨日奥様ご本人から聞いた話はちょっと予想外な展開だった

 

曰く、自分でも不思議なのだが、と前置きしてから「夫がまだ元気だった頃でも、一人になるのが怖くて、風呂場で目をつぶって洗髪するのが嫌だから、夫が傍で見守る中、頭は台所の流しで洗っていた、その私がお葬式の後になって、以前のあの恐怖は何だったのだろうと首を傾げるくらい、一人で何でもできるようになった 生前よりも夫により強く守られている、そういう感覚に変わった」というのである

その話を聞いた俺はすぐさま頭を整理して、「それは旦那さんと二人で一人に生まれ変わったんですよ」と聞かされた本人がサムズアップするようなナイスなフォローを繰り出すことができたが、我ながら言い得て妙の出来映えで今回の再会を締めることができたと思う

 

物は考えようだが、結局女は強い生き物である