(当初貼った「たそがれ」の音源は再生出来ない動画だった為、TVスタジオ収録動画に差し替えさせていただいた)
コロナの流行後だが、流行りのビニル盤の収集に少し熱を入れている
収集と言ったのは、実は盤を回すプレーヤーを持っていないからで、少し前までは近所のカフェバーで時々簡易プレーヤーをお借りして形だけの視聴をする機会があったのだが、不幸なことにその店が業態転換してしまい、そのチャンスがかなり遠のいた、という事情が影響している
それ以来、ビニルの新譜の入手の度に宝が腐さっていく好ましくない状況がずっと続いていた
プレーヤーの購入という選択肢以外に何も手を打っていなかった訳ではなく、ビニル盤を持参すると回させてもらえる同じような店の検索を続けている途中で、今回の話の舞台となるとあるカフェバーに行き当たり、しかし割と生活圏からは遠方ということもあって利用に足踏みしていたが、先日外出ついでに勇気を振り絞りそこへ遠征してみた
HP他で色々調べてはいたがなにせ最初なので、もし合わなければすぐに退店しようと決めつつ、しかしこれまでの経緯があるしチャンスがあればかけてもらおうとバッグに忍ばせて持参したのが上記2曲のSP盤である
この2枚、普段とは違う大音量で聞いてみると違いは歴然、素人の表現が正しいかはわからないが「たそがれ」の音圧の高さに驚かされる
デジタルレコーディングが一般化する前後を比較する場合これは仕方がないことなのかもしれない
他のCDリリース→企画ものとしてビニル盤でリリースされた音源を聴いた時にも感じたことだが、音量を増幅すれば解決する以上の「線の細さ」が「悲しい…」にも存在している
昭和のビニルと比較しやすい生楽器の演奏の割合が高いはずのこの楽曲をもってしても、素人耳ではっきり認識できる程度に、やはり上記問題がレコーディングのプロセスの問題なのだと、ビニルを聴き始めてからどこかで感じていた期待と反する残念感に今回とどめを刺された感じだ
ところで実はこの店にはビニルの再生とは別に、ハイレゾ配信の再生利用とそれ用に導入された専用システムが完備されていて、客は有料でそちらも視聴することができる
せっかくなんで、比較用に聴き馴染んだ曲を1つだけこれで聴いてみようと選んだのがキリンジの「車と女」
これが予想に反して凄まじい視聴になってしまった
この曲についてはこれまで散々配信だけで聴いてきたこともあるせいか、今まで聴こえてなかった本来の再生音が次々に耳に届きまるで違うバージョンの曲に聞こえてしまって、驚きで再生が終わるまで身じろぎが出来なくなったほどだ
つまりさっき触れたデジタルレコーディングの特性がこちらは引き算されることなく再生されているというなのだろう
色々理屈を踏まえても、最後は実際にそれを聴く側の好みの問題だとは言い切れる
それを含みつつ、しかし、つまり至極単純に一方でこういう風にも言えると思う
結論、音楽を「正しく」聴くためには、メディア毎に身の丈に合った環境での再生をお勧めする