またまた最近ハマっているSF読書の話で恐縮である
オルダス・ハクスリーがディストピアをテーマに90年も前に記したSF古典「すばらしい新世界」をちょうど読み終えたところ

 

ところで、ユートピアの反意語だろって程度に理解していたそもそもこの言葉の定義だが、wikiによれば

『反理想郷・暗黒世界、またはそのような世界を描いた作品。産業革命後に発達した機械文明の、否定的・反人間的な側面が強調されて描き出された「未来社会」像』なのだそうで、現代の延長に現出するだろう人間性を蔑んだ超管理社会への警鐘のような概念だろうと今回再認識した

 

「すばらしい…」に書かれた以下の下り

「われわれは神から独立していられるんだよ。宗教的感情は、人間が加齢と共に失うものすべてのかわりになる、と哲学者は言った。(中略)社会秩序が確立しているのに、なぜよりどころが必要なのか?」

哲学の概念が形骸化し、宗教や陰謀論にすがる現代人の「滑稽さ」を遠い過去から見透かしていたかのように痛切に皮肉る示唆に富むこの表現に寒気を覚えたところだ

 

で、意外に心地良いディストピアに引き続き浸かろうと思い、次の本を物色してすぐに見つかったのが伊藤計劃の「ハーモニー」

理由にならないが、この話は以前アニメ化もされていてその絵柄がちょっと引く感じだったので一旦保留…

代わりに注目したのがこれも超有名古典「華氏 451度」

著者レイ・ブラッドベリは名前は知ってても読んだことが無かったので、王道の短編集から入門のルートを踏襲し、ディストピアから離れて別の著作を注文してみた

それはまた後日、機会をあらためてご紹介したい