最初に、関心がない方にはどうでも

いいことかもしれないが、もし間違いで

ないとするとこのライブのドラム担当

である佐野康夫さんがBillboard LIve 

東京のステージに立つのは

2017年7月の桑田佳祐バンドのサポート

以来2度目ということじゃないだろうか

(ツアー初日2/6の会場であるビルボ大阪

は彼の登場履歴を確認済み)

自分を含めて佐野康夫さんファンとしては

かなり灌漑深いライブとなったと思う

さて、今回のライブ、佐野さんの太鼓の

ライブをレポートする時、東子さんファン

にはいつも申し訳ないと思いつつ、

敢えていうと「佐野康夫 見本市」の感すら

漂う進行であったと居合わせた観客の多く

がお認めになったことだろう

※現に自分の周りに陣取る観客の多くが

東子さん寄りの視線というより佐野さん

ガン見モードだったのは笑えない事実である

東子さんの全幅の信頼が寄せられた

最高バッテリーの2人の奏でるビートを

聴きに来い、という東子さんが隠した

メッセージすら感じられてならない

2016年の中野サンプラザの同じ編成の

時も、2人の演奏には最大限のリスペクトが

彼女から寄せられていた)

 

ということで、今回は佐野さんの話しか

書かないことをご容赦いただこう

(大神田さんのベースも、勿論最高だった

のはいうまでもない、念のため)

全11曲とも素晴らしい演奏だったのだが、

強いて選んで紹介すると以下4曲となる

 

03曲目 "After the Rain"

08曲目 "誰より好きなのに"

09曲目 "DON'T PRETEND"

EC 1曲目 "Enough is Enough"

 

どの曲も佐野さんの代名詞である

多彩かつ叙情的なシンバルワーク、

「黄金の右手」から繰り出される跳ねた

ハイハットとライド、そして今回は

リムショットの多用が印象に残った

このトリオ編成ではメロディを

伴奏する楽器がピアノだけという"弱点"を、

佐野さんならではの解釈を通した

ドラミングサウンドによる賑やかな彩りを

加えて曲の良さを引き立たせるという

演出である

 

03、10は昨年リリースの新アルバム

からのチョイスで、このアルバムの曲を

佐野さんならどう演奏をするだろうと

注目していた

03は意外にもオーソドックスな手数を

減らした正攻法スタイルの出だしが新鮮、

と思ってたら中盤から後半のサビに

向かってレガート奏法などの手数が

増えいつも通りの賑やかなエンディング

となった

10もオリジナル曲でドラムを

担当した北川ゆう子さんの演奏とは

対象的にフィルインがほとんどない

代わりに、華麗なシンバルワークにより

多分同じBPMのはずなのに原曲より

数値が多いんじゃないかと錯覚する

「佐野マジック」が堪能できた

08は佐野さんが演奏のライブの時に

いつも感じる冒頭からアウトロまで続く

叙情的なシンバルワークが印象的

23年前のオリジナルアルバムのレコー

ディングの時に込められた佐野さんの

こだわりが今回のステージでも感じられた

そして09だがライブでやっても反応が

ない、ライブでやってというリクエスト

もない『人気のない曲たちよ 甦れ』の

コーナー用に選ばれたなんてディスられる

対象としては勿体なさすぎる程の、08の

ミドルテンポとは対象的な目の覚める、

黄金の右手ハイハットが炸裂する

アップテンポな極上の展開だった

 

最後にEC 2曲目"大丈夫"の前に語れらた

東子さんのMCを紹介しておこう

「この2人を目の前にして歌わずに

いられない シンプルな言葉で好きだという

気持ちが炸裂している曲、今聴くと

恥ずかしいを通り越して

『いーじゃんいーじゃん』

って思うわけです」