ある試験の実技講習の話

慣れ親しんでなんとなく無難に
こなせてしまう普段のデスクワークと違い
身体的な習熟度、適応度が丸裸となる
実力の世界の技術系
時間はかけられないが金はかかっている状況で
いい大人が自分の序列を認識することで
相手の年齢を問わず、「師」と映った同じ受講者に
必死になって教えを請うようになる
たまたまその場に素直な人々が集まっただけ
と考えることもできる
でも確かにそこには向上心溢れる
若者達が夢に向かって切磋琢磨する姿があった
デジタルデバイスのおかげで
かつてほど地道な努力が評価されなくなった時代
過去へのセンチメンタルな憧れが
普段気がつかない身体性に属する差異の輝きを
一層魅力的に見せてくれたのかもしれない